8-131 余談(8-130のちょっと前)①
緊急の会議と突然の公認移行の儀を終えマルアスピーの自室へと戻ったパフとマルアスピーは、就寝前の準備をしながら雑談を交わしていた。
「ところでパフちゃんのレベルは幾つなのかしら?」
マルアスピーは、三面鏡のドレッサーの前で髪をブラッシングしながら、大樹の森の聖域のフカフカな草の絨毯をイメージした緑色のファーラグが敷かれた床の上で自然魔素と呼吸を整えながらスローストレッチをしているパフに質問した。
公認移行の儀を強行したパフだけがレベルを申告していない、条件をクリアしていることは当然として、カトリーヌやエルネスティーネの高いレベルを聞いた際とくに驚いた様子を見せなかったも気になっていた。
「あっ、そういえば私だけ申告していませんでしたね。自分を指名して申告するとかヘンテコな受け答えだなと考えているうちにタイミングを逃してうっかりすっかり申告するのを忘れていました。私の個体レベルは九百三十二で、種族は半高位人半精霊族です。chefアランギー様に視ていただいたところ精霊の格としては地属性の小精霊くらいだそうです」
「あら驚きの展開ね。カトリーヌとエルエルのレベルを聞いた時のパフちゃんの様子からそれなりに高いとは思ってはいたのだけれど・・・そうパフちゃんも私と同じ精霊に・・・・・・」
マルアスピーは、パフが自身と同じ精霊になったことに喜びを感じていた。それと同時に安堵する、精霊眼でパフのステータスを視ることができなくなったのは、バジリアやマリレナのように高位を飛び越え神の域に昇華してしまったからと推測し、少しだけ寂しさを覚えていたからだ。
「はい。微精霊小精霊は自然魔素が形を成した自我を確立する前の精霊とのことでしたので、先ずは正式に精霊として認めていただけるよう努力するつもりです」
「まだ一以下といったところかしら、薄っすらと少しだけ【SMP】が漂っているみたいなのだけれど、そうね、精霊として認められる為にも先ずは属性を安定させるところからかしら」
「属性の安定化もレベル上げと同時に進めるつもりです。ただ、自然魔素のコントロールには自信があるのですが魔法(正しくは精霊魔法)と魔術では自然魔素の距離が想像以上に違っていて、コツさえ掴めればと言いたいところですが、うんともすんともチンプンカンプンで・・・御見せできるようになるのはまだまだずっと先の話になってしまうかなと。タブンですが個体レベルが千に到達して中精霊に進化して勝手に安定してしまうことの方が速いかもしれません」
貴重な時間をありがとうございました。




