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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-122 緊急会議


 私室へと戻ったマルアスピーはパフと対策を話し合っていた。


「...... ~ ......といったところね。話し合いの場が必要だと思うのだけれどパフちゃんの考えを聞かせて貰えるかしら」


「そうですね。・・・ロイク様は従来のケースからかなり逸脱されています。同じようなケースの人は私の周囲には一人もいませんでした。本来であれば十六歳で成人し数年後には独り立ちてして家庭を持ちます。成人と同時に許嫁や幼馴染と結婚する人もいます」

「そうね、前に読んだ書籍にも、階位の高い家に生まれた人間種(ニンゲンシュ)は比較的その傾向にあるとあったわね」


「これはあくまでも当時のものであって現在のものではありませんがロイク様の御実家は士爵位のバイル様を当主とする王民家、しかも陪臣ではなく直臣の貴族、一代限りの名誉爵位ではりますがその権利は男爵領を治める領主に匹敵します。・・・隠すつもりがあったのかなかったのかは分かりませんが住民の多くがバイル様をトミーサス大行進の英雄だと知っていましたし、メアリー様が王女殿下であることも察していました。直臣貴族で英雄で王女殿下、貴族領民が一定の距離を取り丁寧に接するのは当然のことです」

「そういうものなのね。大きな集落で暮らす人間種(ニンゲンシュ)はどこかセカセカギスギスしていて言葉の端々に厭らしさや含みを感じるのだけれど、村で暮らす人間種(ニンゲンシュ)は含みはあってもどこか真っ直ぐで純朴な感じがしたのはそれでだったのね」


「ロイク様が成人したと正式に認めれるきっかけとなったのは、本人ですら認識していなかったBIRTHDAY(バースデイ)SKILL(スキル)が解放されたことです。集落内で聖邪獣様方が衝突為された際に負傷され生死の境を彷徨われたことで解放された【フリーパス】。聖獣様方が命を救わんが為に大樹の聖域内へと運び込み紆余曲折あってマルアスピー様と夫婦となられたことで解放された【創造神のきまぐれ】。尚、【修練の心得】は十六歳の神授の日には解放されていましたが従来のものとは大きく異なりロイク様の成人の妨げとなっていました」

「そうね。確か修練の心得は個体レベルの上昇に必要な経験値の獲得が五十分の一になってしかも一以下は全て切り捨て、その代わりに個体レベルの上昇の際のステータス値の上昇が通常の十倍になるのが本来のもの。ロイクは百分の一の獲得で十以下一から九までが切り捨てだったわね」


「はい。ですが個体レベルUPの際のステータスの上昇値は、レベルUP時の神気で積算した上更に十倍です。創造神のきまぐれが解放されたことで人族(ユマン)でありながら神気を内包するに至り、当初は積算したところで意味をなさない一でしかなかったと聞き及んではいますが、その実、一の期間は非常に短くて、現時点においては最早上昇値の把握は困難だとか・・・スキルの成長と進化が速過ぎてそれにともなって上昇する神気や精霊気やステータス値の把握が追い付かないと言ってましたし・・・」


「そうだったわね。寝て起きたら極めてしまってたみたいでハハハと笑っていたわね。過去に修練の心得を極めた者がいなかったこともあって、フォルティーナ達の記憶くらいしか参考にするものがなかったのは痛かったわね」

「・・・神々様方には本当に感謝しかありません」


「寝て起きるだけで、個体レベルの経験値が三千万も加算され、ゴッドマネーが三千万枚振り込まれ、非神格位のままである限り毎月十日の午前六時に神気が五百も増える。世界創造神様の好意なのでしょうけれど、これは破格を通り越して、最早精霊はおろか人間種(ニンゲンシュ)すらも止めてしまっていると思うのだけれど・・・」


「・・・あっでもマルアスピー様、スキルが極まってしまったことで取得する経験値は五千分の一になってしまった訳ですし」

「寝て起きるだけで三千万もの経験値が加算されるのよ。それに加えて個体レベルの上昇に必要な経験値が本来の百万分の一、取得する経験値が五千分の一になったところで成長速度は通常の二百倍ということになるわ」


「今更ですが凄まじいことになっていますね、ロイク様は・・・」

「そうね、ここにプロモーションが加わってしまうのだから本当に手の施しようがないわね」

「あぁぁ―――神授スキル【プロモーション】もありましたね。年齢など特に気にする必要のない数値を除いた個のあらゆる成長速度が一万倍になる。でしたよね・・・」


「アランギーやフォルティーナが話していたのだけれど、神格位が上級神以上の神なら最低でもこの位は普通らしいわ。大上神のフォルティーナ、上神のウーメ、ターケ、ラーン、キーク、上級神特級のアランギー、上級神三級のイエレミーヤ、ベルドールはロイクの数倍数十倍数百倍にもなるそうよ」

「・・・神々様方を基準に考えるとロイク様もいたって普通、でもないですね。・・・ロイク様が普通ではないこと普通で居られないことは重々承知していたつもりではいたのですが」


「そうなのよね、そのあたりのことは仕方ないとしても、異性との付き合い方・・・それ以前の問題のようが気がしてならいわ」

「マルアスピー様に対人関係を心配されるロイク様もあっ・・・」

「何か言ったかしら?」

「いえ、人口の少ない集落で育ち同世代の者も少なく大樹の森の中で過ごすことの多かったロイク様が・・・あぁー・・・マルアスピー様と結ばれたのは必然であり運命であったのだと再認識したところです。・・・ロイク様には異性との付き合い方以前に必要なことが・・・そうですね、来る日以降からになってしまいますが、相互理解作用を学ぶ場他人とのコミュニケーションの場を設け良好で円滑な対人関係の構築を理解していただくことの方が・・・。神様精霊様王侯貴族様方の多いルーリン・シャレット家は出来れば皆で仲良く一緒に学んだ方が効果的で良いかなと・・・」


「そうね。パフちゃんの提案を主軸に進めることにしましょう。皆に、今日の夕食後のティーパーティーの一時間後、ここに集まるように伝えて貰えるからしら」

「フォルティーナ様にもでしょうか?」


「・・・どうせ来ないのだから声を掛けるだけ無駄だとは思うのだけれど、後から執拗に迫られるのも困ったものよね」

「フォルティーナ様にも間違いなく伝えておきますのでご安心ください」

貴重な時間をありがとうございました。

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