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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
1158/1227

8-115 来る日まであと三日・教会跡地に教会を ②+③

 場を収めてくれたマクドナルド卿に目配せで感謝の気持ちを伝えつつ、改めて教会建立の話を切り出した。


・・・

・・


 事前に根回ししておくことの大切さをヒシヒシと感じながら、少しずつ微妙に変わっていく要望に耳を傾ける。


 伝え忘れてたのが全面的に悪いって分かってはいるんだが・・・。

「えっと見慣れてて住み慣れてる方が良いから前のと同じ造りにした方が良いんですよね?」

 レディーマリリンさん貴女(アナタ)さっきはそう言ってましたよね。


「その通りさね、でございます。ですが、子供達を第一に考えますと、ここは街から遠過ぎます。ここはアイツ等が教会の傍で野営する商人や旅人から宿泊料を徴税する為ごり押しで市街地にした場所さね、でございます」


 ガルネスは市街地の解釈が随分違うなって思ってたけどそういうことだったのか。なるほどね。

「ここって、子供の体力と足じゃ光の時間四半ってとこですよね」

 草原は広大だけど真っ直ぐ歩けばなんとかなる、外壁も雑木林も互いに見える位置にあるから迷いようがない。問題はここを囲む森みたいな何気に深い雑木林だよな。


※※※余談※※※

 光の時間=世界を光が支配する時間

 縦陽と横陽(二つの陽)が昇り始める6時から

 縦陽と横陽(二つの陽)が沈む24時までの18時間


 因みに


 闇の時間=世界を闇が支配する時間

 縦陽と横陽(二つの陽)が沈んだ24時から

 縦陽と横陽(二つの陽)が昇る6時までの12時間


 ①光の刻(光の時間)=18時間

 ②闇の刻(闇の時間)=12時間

 ③光の(時間)一半又は半分=約9時間

 ④闇の(時間)一半又は半分=約6時間

 ⑤光の(時間)四半=約4時間と30(ラフン)

 ⑥闇の(時間)四半=約3時間


 ⑦旧:一刻=おおよそ2時間

  新:一刻=⑥=約3時間


 アシュランスカードの普及により

 好きな時に好きなだけ

 時刻を知ることが可能となり

 広がった新しい言葉。

 ⑦は二時間くらいとなっていたが

 国や地域や人によって大いにズレが・・・。

※※余談終了※※


「ここも、少し離れたところにあります水汲み場もそうですが通い慣れた年長の子ですら稀に道に迷う程度には何処も代わり映えのしない雑木林さね、でございますので・・・」


 語尾にさねって癖になっちゃってますよね。面白いんでドンドンお願いします。って、違う違う、えっと。


 跡地から雑木林の中へと伸びる道をチラ見する。


 良く言ってちょっと広めの獣道・・・。教会があるからって態々ここまで来て市内宿泊税を納めて野営したり高額なお金を払って教会に宿泊って、商人とか旅人がそんな無駄なことを態々するか? 小ぶりな馬車ですら無理だよな、ここ。


「世界創造神様の御名を騙りし愚かなる屑教の唯一褒めるに値するところと言ったところでしょうか。コルトの大聖堂、モルングレーの中央教会、ガルネスの大寺院、詐欺を行う施設を建てる場所選びだけは先見の明があると言わざるを得ません。主殿もそうは思いませんか」

「あぁーはいはい確かに旧教の教会って何処も絶妙な場所に建ってはいますよね」


 ここも雑木林の中にはあるけど循環は安定してたもんな。・・・悪気とか負とかで今はどうしようもない状態だけど。それにしてもエリウスの旧教嫌悪分からなくはないけど相変わらずですなぁー。


「陛下」

「ロイク様」

 マクドナルド卿とウェンディーネ様がほぼ同時に話し掛けて来た。


 おっと終わっちゃったみたいですね、精霊様達による麗しの姦し御喋り会。パフさんがこっちに来ちゃったんでマルアスピーが来るのは時間の問題だとは思ってたんだけど、皆さんお揃いで・・・まっ、ここは迷うことなく。

「あぁー、マクドナルド卿は暫しお待ちを、はい、それではウェンディーネ様からどうぞ、お願いします」


「ありがとうございます。これは(ワタクシ)の知り得る限りの話なのですが、元々御社であったり祭壇であったり神殿であったり神饌用の三宝や八足台、御神木や岩座があった場所を潰したり覆うようにして建てられたのがここ最近建設ラッシュが続いていた人間種(ニンゲンシュ)達の教会とか言うらしい白くて綺麗なのに負の念がこびり付いててバッチィー建物です。ですので建つ場所に関しては一分の隙もなくて当然ではないかと私は思っています。私の湖の畔にバッチィー建物を建てようとした時は流石に邪魔してやりまた。・・・あっそれで思い出しました、聞いてくださいよロイク様、人間種って本当に図々しくて傲慢だと思いませんか、自分達で神の森だから許可なく入るなと定めておきながら、兎と羊の家族だけを千・・・二千年くらい経った頃だったかしら? えっとそのくらいその森に定住させて放置していたのに、私の湖までの道を通して畔にバッチィー建物を建てるから森を切り開いておくようにって偉そうに上から命令していたのです。本当に信じられないですよね、でも本当にあった話なのですよ、これも。森の奥は聖地になっているから「何人たりとも冒してはならないし決して穢してはならない」って、兎さんが一生懸命頑張って説得しているところを何度も見ていたので、その都度鉄砲水で綺麗に洗い流したり、向こうにある川の周りに沢山家があるのですがその川から水を一、二年程抜いてお仕置きしたりと、穏便に済ませていたのですが・・・それが駄目だったのでしょうね、もう水面の浮草状態で本当に困っていたのです。そろそろ限界だと思っていた矢先にロイク様が愚か者達を根絶してくれたのです。タルヒーネの件もあってもう一生付いていこうと決めた瞬間でもあります」


 川の水が一年も二年も干上がるって、それ穏便って言わないですウェンディーネ様。エゲツなさが半端なさ過ぎて寧ろ恐ろしいです。


 あと、兎と羊の家族ってもしかしてハイジィーさんの実家じゃ。

貴重な時間をありがとうございました。

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