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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-108 来る日まであと三日の一日前のこと ①

―――時は遡って昨日の夕方―――

R4076年02月19日(闇)23:00頃――


 あぁフォルティーナポートの各支店を回り支店長達から直接報告を聞いたり何となく来る日の打ち合わせをし、最後(ラスト)で立ち寄った野生の丘店で打ち合わせが終わったタルヒーネ様と神茶を啜りながら雑談をしている時のことだった。


「ところでさっきからずっと気になっていたんですが、まさかとは思いますが野生の丘店の省みの泉・離れに住み着いちゃったりとかしちゃったりはしてないですよね、ウェンディーネ様」

「ギクッ」


 ギクってギクって口で言う人初めて見たかもって精霊様だったわ。「ついにですね。北大陸(フィンベーラ)でもそろそろ備えの最終確認の頃合いでしょう。私にできることは水回りを確認するくらいですがそれくらいしかお役に立てることはありませんが託されたからには責任を持って遣り遂げてみせますわ」って宣言した日の夕食時から姿を見ていなかったんで・・・。


「・・・てっきりカルーダ湖に戻られたんだとばかり思っていたんですが」

「概ねでそれであっていますよ。つい先程到着したばかりですから。ですよね、タルヒーネ」

「はい。ロイク様、ウェンディーネ様が私の泉の離れに御身を具現化なされたのは支店長室にロイク様が転移して来られた数ラフン前です」


 先に居たのにこっちを優先してくれていたってことか、お互いそこまで急ぎの用事ではなさそうだけどこれはこれで申し訳ないことをしたかも・・・う~む・・・そうだっ!! ここは食べ物で。確か、千層型(ミルスタイル)のケーキがお気に入りだったはず。


「俺の方を優先して貰っちゃったみたいで、お詫びって訳ではないんですが、これチョコレートの層とピーナッツバターの層とホイップクリームの層とベリー系取り分けラズベリージャムの層を薄いクレープの生地で挟んだ工房ロイスピーでもまだ売り出していない俺のオリジナルケーキでミルクレープ冬の午後の四重奏ってあっ名前はトゥーシェが勝手に何となく付けただけらしく特に深い意味はないんで気にしないで貰えると有難いです。味の方はそれなりに自信作なんで是非ウェンディーネ様に楽しんでいただけたらなと思って、という訳でお納めください」

「あらあら♪ 水の精霊としてはここの水だけでも十二分に感謝している状況なのですが・・・ありがとうございます。とても嬉しいですわ。私、その薄い層を幾重にも重ねたまるで潺のように滑らかな蕩けるような触感を瞼を閉じて口いっぱいに頬張って食べるのがマナーだというそのケーキが一番好きですの」


 誰だよそんな訳の分からん食べ方を教えた奴はって、トゥーシェしか、トゥーシェしか思い当たらないや。

貴重な時間をありがとうございました。

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