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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-106 来る日まであと三日 ⑥ ゲートもスクルー・ジ・ズ・オーブ

「アンガーレム様所有の美し過ぎる球体もそうですが、ロイク様がお持ちだという歪なる美にも非常に興味をそそられます。ましてこのようにご教示いただける有難くも素晴らしい機会とあっては尚のことです。長命の樹人(エルフ)族であっても難しいでしょう。ですので、好奇心に任せ貪欲に是非ともと思う反面、歳のせいかもしれません邪推し惹起を懸念し先ずは危険を排除してからと考えてしまうのです」

「糞爺の言う通りさね。私もその美しくも悍ましい得体の知れない球体に興味がないと言えば嘘になってしまうくらいには気になってるさね。危険だと分かっているのにも関わらずだよっ!!」


「フンッ、まぁーなんじゃ、儂とてお前さん達の興味や不安が分からんちゅうこともない。お前さん達の言う通りじゃこれにはちいっとばっかし・・・注意して見んと分からん程度ではあるんじゃがぁー、思いようによっては何やらよからん念のような(モン)が燻っちょるからの」


 ちょっと? イヤイヤイヤかなりですよ、かなり。


「で、じゃ。儂がお前さん達にこれを見るように言ったのはな。・・・・・・あのゲートの枠の内側なんじゃがお前さん達にはどう見えちょるんじゃ」


 アンガーレム様に促され皆の視線がゲートに集まる。


「以前は学び舎が見えていたはず・・・ふむ・・・黒い靄が濃い霧が遮り何も見えんの」

「学園に通う子供達と異界の子供達とで自由研究をやろって話になって何度かゲートを通して共同学習会を開いたのですが・・・このゲートの正体はシュヴァルグラスだったのですね」


 うん? オスカー殿には黒い霧が見えていて、レディーマリリンさんには自分の姿が見えてる?


「パフさん、パフさんはゲートの向こう側に何が見えてますか?」

「わ、私ですか。えっと壁一面の本棚と整理仕切れずに床に直置きされた書籍の山が見えてます。あっ、あの本前からずっと・・・あっいえ何でもありません」


 パフさんは本と本棚か。ふむ。


 神眼と裸眼で交互にゲートを覗き込む。


 ・・・同じだな。

「あの、ロイク様には何が見えているのですか?」

「そのまま向こう側が見えてます」

「学校の教室が見えているのですか」

「あっ、そうじゃなくて、枠があるだけでそのまま大穴の底の向こう側が見えてる感じです」


「ほぉ~、マスターロイクお前さんは流石じゃの、念の影響を一切受けちょらんようじゃ。因みに何じゃが儂には大量の酒樽とジョッキとビー玉が見えちょる」


 欲望・・・違うな。オスカー殿の望む物が黒い霧とか意味分からんし、無いな。酒、本、自分、そのまま向こう側・・・共通点が全くないような。


「...... ~ ......あのゲートはスクルー・ジ・ズ・オーブに成りかけちょるっちゅう話に繋がる訳なんじゃがの。・・・存在しちょるはずなんじゃがまるで存在しちょらんように枠の内側にある存在の有無がよう分からん。ようはのっ、それがスクルー・ジ・ズ・オーブに成りかけ最早スクルー・ジ・ズ・オーブと断言したところで誰も文句は言わんじゃろなちゅう話じゃ」


 それってつまり放置はまずいってことじゃないですか。アンガーレム様の確認作業が終わったらタブレットに収納決定っと。

貴重な時間をありがとうございました。

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