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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-103 来る日まであと三日 ③

 という訳で、偶然か必然なのかは置いとくとして、膨張し過ぎて破裂した歪みの後に宙にできた一時的なゲートから姿を現したのは、モデル嬢を先頭にクラーラ様、ミューさん、マルアスピー、アンガーレム様だった。


「おっ何じゃ!! 何処に出るかと思えば大穴の底ではないか・・・」


 視線を一瞬だけ合わせたアンガーレム様は歪みの状況を確認するかのようにゆっくりと周囲を見回してから改めて視線を合わせて来た。


「御師匠様で匠マイスターベルデェートロッケンシュタルフェルンロイク。儂等が隠し通路を抜け出るまでの間にここで何があったんじゃ、この負の瘴気悪気(アッキ)言うんじゃったかの前に来た時よりも阿呆みたいに濃くなっちょるようじゃが・・・」


 ふむふむ今回は最後に姿を現したアンガーレム様から話始めるパターンな訳ですね。


 ミューさんとマルアスピーと何となく目配せし頷き合ってから、飛び入り参加のアンガーレム様を中心に状況の整理確認作業が始まった。


・・・

・・


「数ヶ月・・・数日前だったかしら・・・兎に角そのくらい前の話ね。隠蔽の楽園(ヒドゥンパラダイス)の西海岸沖でもここと同じくらい負圧が強くなって、その海域だけ未だに色を失った状態なのだけれど。・・・ところで、ここは最新若の下界コルトで間違いなのよね?」


 モデル嬢もクラーラ様も落ち着かなくて当然っちゃー当然だ。ディアナ嬢を追ってという大義名分を得て憧れのコルトまで来れちゃった訳だし。


 つうか、いったいどうしちゃったんだ。さっきまであれだけ煩く仲良く口喧嘩しながらも意見を出し合っていたじゃん、マクドナルド卿も「ふざけてないでいいかげん話を進めないか」って三人ともかなり活発に発言してましたよね。


「陛下、もしや・・・もしやとは・・・私の勘違いであれば良いのですが・・・こちらの見目麗しき至高の精霊クラーラ様はよもや自然摂理の王精霊王様ということは・・・流石に・・・」

「あれ? 忘れちゃったんですか、年末年始の慰安会でマクドナルド卿は精霊王様と一緒にお酒飲んでたじゃないですか。サザーランド殿の隣に座ってた青年? 成人少し前の少年にも見えなくないけど」


「あらそこの翁に扮した樹人(エルフ)はアピロレイと杯を交わす仲なのね。自己紹介するのを忘れていたわ、私は隠蔽の楽園(ヒドゥンパラダイス)神域の精霊若樹キルシュクラ―ラ・フル・アピロレイ、アピロレイのえっと何に当たるにかしら・・・あっそこに居るマルアスピーちゃんの大が幾つか付く位は生きてる伯母叔母(オバ)のはずだから気軽にクラーラって呼んでくれて構わないわ」


 この会話の流れで気軽にクラーラと呼べる人がいたらその人勇気あるなぁーとか通り越してヤバいとかエラいとかそっち系駄目な奴だろう、確実に家の親父系じゃん。


「・・・この短き時の合間に摂理の循環を成してしまわれる程のその清らかなる御力、なるほど精霊王様に連なりし直系の姫君様ともなれば合点がいきます。して本日はまたどうしてこのような下賤極まるコルトくんだりまで姫君様直々に行啓なされたのでしょうか?」


 あれれマクドナルド卿。モデル嬢とクラーラ様の話目の前で聞いてましたよね? それに今は歪みの話を・・・。

貴重な時間をありがとうございました。

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