8-080 息抜きになったのかどうかは別の話
メア(亜)下界を中心に乱れている冥下界が担当する分の負の循環は来る日の次の日からコルト下界を中心に多少は落ち着くらしい。初めの内はレジリエンスを期待し様子見である程度乱れが収まった段階で一気に畳掛ける。
無かったことに出来るレベルまでやれれば御の字だと言っていたが流石にそれは無理があるだろう。
神授によって代行となった神様は別の場所に代行として滑り込むことができるらしい。その場凌ぎ無理矢理滑り込ませて当面の間だけでもってスタンスが神界では常識らしい。
俺が冥下界の管理者になったことで手隙になった、邪を司りし生と死破壊と再生の女神ナナンフェルテリーナ様の第一眷属神冥下界の管理者代行の変化を司りし巡と転終末と始原の女神フレアリース様を、澱浄殿の循環管理局の局長代行に滑り込ませる計画も進めているらしい。勿論俺の相談役兼教育係も兼任でだ。
ふと気付いたことがある。エリウスはいったい何処へ?
「我が眷属ロイクよ見ていなかったのか、エリウスを探しているのであればそれは無駄なことだ。何故ならばアヤツはBBQの新鮮な海の幸等が躍るのを止めたと同時に未だ続く下界冥の報告会に呼び出され血相を変え慌ててBBQの席を去って行ったからだ」
「あの老人の集いみたいな牛歩の報告会まだ続いてたんですね」
「我等と下界の民とでは時の認識に大いなる隔たりが存在する終止なき我等とでは根本的に違うということだ」
・・・
・・
・
息抜きになったとは到底思えないが感謝はしないとな。マリレナさんや皆の気持ちは嬉しい、心配をかけてしまった分今日からイヤ明日から頑張ることにしよう。
ゲートを潜り隠蔽の楽園銀行に戻った遊狐様と悪狼神様とフラン様とロザリークロード様とバジリアさんとマリレナさんとリシュルとトゥーシェと俺はガヤガヤと賑やかに宿泊中のスィートルームへと歩いて移動していた。
トゥーシェは非常に静かだ。有難いことにエクレアを頬張っている。
クラ―ラ様とモデル嬢とミューさんとマルアスピーは同行を拒否したアンガーレム様を無言で無理矢理拘束して抜け道を求め第一層サンドブリッジへと旅立った。二層と三層もあるから暫くは帰って来ないだろう。アンガーレム様には申し訳ないと思うが頑張ってください。
「はぁっ!? だからなんだね。規約とかそういうのはもう要らないね。アタシはカードを解約するから会費全額耳を揃えて返せと言ってるだけだね。良いかねそもそもこの会費の意味が分からないね。何日で一年だね? 年会費なのかね? 月会費なのかね? 日割りなのかね? お前達のように選り抜きの公僕天使達の融通の利かなさは知ってるね、だがしかしだね、アタシは全額耳を揃えて返して貰うまだ一歩たりともここを動くつもりはないね。分かったかね」
「あ、あの大上姫神様、私の順番が来て一番受付にやっと呼ばれました。申し訳ございませんが少しだけ左に寄ってはいただけませんでしょうか」
「ちょっと待つね、よいっしょっと。・・・これで良いかね」
「ありがとうございます。あのもう一言宜しいでしょうか?」
「なんだね、言いたいことがあるならサッサと言うね、見て分かると思うがだね今アタシはとっても忙しいね」
「二番の受付カウンターまで移動してしまうと次に呼ばれる利用客の邪魔になってしまうだけです。それでしたらいっそのこと受付天使の居ない四番の受付カウンターの前で抗議を続けられては如何でしょうか?」
「・・・なるほどだね一理あるね。邪魔をしたくて騒いでいる訳ではないアタシとしては邪魔にならないように騒ぐのも吝かではないね。そうと決まれば選り抜きの公僕天使達よアタシについて来るね。向こうで一からやり直すね」
・・・ここにいたのかよ。
フォルティーナさんや知ってますか、知ってますよね。俺達って、貴女神様の神気を強化しようって、精神を擦り減らしながらこんなにも頑張ってるんですよ。あぁーでもなぁ~・・・居たら居たらでストレスの原因にしかならないだろうからなぁ~。・・・・・・見なかったことにしよ。
天使さん達ごめんなさい申し訳ありませんがもう暫くフォルティーナのこと宜しくお願いします。
貴重な時間をありがとうございました。




