表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーアシュランス王国建国編ー
112/1227

2-30 始めての風の迷宮④~調査終了、その後~

宜しくお願いします。

(ヴァン)の迷宮は、自然魔素(まりょく)を抑える魔力陣が機能し無く成った事と直接関係無そうなので、解放する方向で良いとして、問題はやっぱりフィーラの自然魔素(まりょく)の乱れと魔力陣ですよね」


「そうなるなぁっ!」


「フィーラの図書館や行政施設の資料って、ゼルフォーラ王国民の私達でも見られるんですか?」


「パフさん。それは流石に無理だと思いますよ」


「サラ姫さんよぉーどうしてだぁっ!」


「国勢に関わる資料や記録の閲覧は、自国民に対しても制限している国が多いんです。他国の人間が閲覧出来る資料や記録に貴重な情報は無いと考えて良いと思います。図書館の利用はある程度可能だと思いますが、行政施設は無理でしょうね」


「総督邸も普通に考えたら調査するって無理な話だよなぁ~・・・」


「大樹の英雄殿よ。創造神様による啓示の前に、動いてしまった方が良さそうじゃよ」


「啓示の前に動く?」


「大樹の英雄殿がメリア殿を擁立して、フィーラ・ワルク・ワワイの地に新国家の樹立を宣言します。表向きは、エルヴァーリズ王国の王族メリア殿が女王陛下。大樹の英雄殿はその夫で国王とでもしておけば良いでしょう。樹人族(エルフ)の国では無い多種族の国であると印象付ける必要があるので、多種族多文化だった大ゼルフォーラ王国に肖り、国名は小ゼルフォーラ王国まぁ~そんなところじゃな」


「ゼルフォーラ王国が存在します。小ゼルフォーラ王国は紛らわしくはありませんか?」


「それ以前に、ゼルフォーラ王国の下に存在する印象を受けませんか」


「パフさん、アリス。それなら、いっその事、創造神様からの神授で建国する国な訳ですし、神授の国フィリーなんてどうでしょうか?」


「神授の国ですか。創造神様からの神授で建国する訳ですし、テレーズ。それかなり良い案かもしれませんね」


「世界創生期のコルトの伝説に登場するコルトの幼馴染フィリーを国名にする訳じゃな」


 この人達、おかしな事を言ってるって気付いてないのか?


「フィーラに建国する国の女王がメリアさんなのは分かりますが、俺が国王っておかしくありませんか?」


「ロイク様が、王様に成って何がおかしんですか?」


「そうですよ。ゼルフォーラ王国の副王でもあるロイク様が、何処か違う国の王様をやっていてもおかしいとは思いません」


「はい、ロイク様が王様でも良いと思います」


「おう。俺は王様の父って事になるなぁっ!」


 ・・・何なんだこの人達は。


「パフさん、アリスさん、テレーズさん、親父。意味違うからな。俺が言いたいのはメリアさんの夫って部分についてだ」


「ねぇロイク」


「はい、何でしょうか?」


「私は別に構わないわよ」


「はい↑?」


「ロイク様。私も特に気に致しません」


「マルアスピーさん・・・サラさん・・・何を言ってるのかな?」


「そういやぁー。創造神様も神乳も言ってたなぁっ!ロイクの嫁枠はまだまだ空きがたっぷりあるってなぁっ!」


「メリア。そういう事みたいだから、これから宜しくね。私はマルアスピー。この子はパフちゃん。右から、サラ、おとうさま(義理のお父様)、アリス、テレーズ、賢者ガリバー、ロイクね」


「あのぉ~マルアスピー様・・・皆さんのお名前はもう知っているのですが・・・」


 メリアさんは、この話の流れと、マルアスピーの淡々とした泰然自若な雰囲気に困惑している様だ。


「よしっ!」


「よしじゃ無いだろう。親父ちょっと待て。他の案も聞いてから考えようと思う・・・」


「おう。任せとけぇ!」


 何をだよ・・・


「他の案のぉ~・・・短時間の内にフィーラを調査出来て、創造神様からの神授を果たせる方法・・・おぉ~これならどうじゃ。大樹の英雄殿が国王として建国を宣言する。建国した国は多種族平等の法治国家じゃ。その象徴として、大樹の英雄殿は、全種族から嫁を娶る。国名は、神授の国スタリオン王国」


 これ賢者様の言葉ですよね?・・・国名が種馬って・・・俺って種馬(スタリオン)扱いな訳?・・・


「おっ!何か女の敵って感じで良いなぁっ!」


「何が良いんだよ。良い訳ないだろうがぁっ!」


「ロイクぅー。お前さ我儘言っちゃダメでしょうぉー。皆お前の為に考えてんだからぁー」


「おい親父。何、俺が悪いみたいな感じでまとめてるんだよ」


「ロイク様・・・」


「ほら、メリアさんが困ってるじゃないですか。もっと他に現実的な意見は無いんですか?」


「ねぇロイク。ここは貴方の意見を受け入れる事にします。まずは、ここフィーラに貴方の指示に従う樹人族(エルフ)の国を建国しましょう。前の名前をそのまま使うのは良く無いわね。不適切な存在が貴族だとのさばるのは邪魔なだけね。人間種は過去に捕らわれる傾向があるみたいだからその方が良いわ」


「ちぇっ!面白くなりそうだったのによぉー・・・それでアスピーちゃんよぉーどうすんだぁっ!」


「メリアには大義名分が存在します。擁立するのは効果的ね」


「大樹の英雄の奥方殿よ。そうじゃろうぉ~。何より神授という最高の大義名分も後からついて来る。創造神様の神授により建国する訳じゃが、その前に動くという事は、警戒される前に事を運べるというメリットがある」


「賢者ガリバー様。メリットは俺にも分かります。ですが、メリアさんと結婚ってなると流石に抵抗があります」


「何でだよぉっ!おめぇー頭でもぶつけたんじゃねぇーのかぁっ!良く見てみろよぉー超美形な顔立ち。巨乳より気持ち小さ目の胸に、良い感じでくびれたウエストに、良い感じにハリのある尻。かぁー羨ましいぜぇー」


 こいつただの変態だ。


「おい、言いたい事はそれだけか?」


「いや、まだあるぞぉっ!良いか父親の俺が許す。結婚しなさい。俺王様の父親って言いたいですっ!」


 ・・・


「それで、賢者ガリバー様。サラさん。パフさん。アリスさん。テレーズさん。メリアさん。マルアスピー他に何か案はありませんか?」


「資料を堂々と調査出来て、創造神様の神授を達成する。現時点では建国が一番じゃと思うが。本人が望まぬのであれば流石に難しいのぉ~」



 結局、俺は大樹の英雄として独断と偏見を、ゼルフォーラ王国の副王として権力を振り翳し、創造神様からの神授と、帝国が保管しているかもしれない魔力陣についての調査は、別々に進める事で話を押し切った。


 話し合いの後半、メリアさんが何かを考える様に黙り込んでしまい、見ていて居たたまれない気持ちになったからだ。


『パトロンロイク殿よ』


 料理の神chefアランギー様。どうしたんですか?


『先程のフロアー攻略の話で、気になる事があります。はい』


 気になる事ですか。どんな事です?


『風属性が乱れた原因を調査する為に、(ヴァン)の迷宮を攻略されたのでしたね。はい』


 原因が分かれば良いなって気持ちはありましたが、解放が一番の目的だったので、目的は達成した感じですね。


『なるほど。目的を達成されたのなら良いのですが、風属性が乱れた原因に心あたりがありまして、はい』


 え?


『おんやっ!お気付きになりませんでしたか?はい』


 えっと何にですか?


『風穴です。はい』


 邪属性になるには、後3年位かかるんですよね?


『はい。先日、風属性から聖属性に切り替わったばかりです。はい。風属性から聖属性に切り替わった時に(ヴァン)の迷宮を介して神域と繋がっていたコルト下界へ過剰に供給されていた風属性が聖属性に変わりました』


 供給量が減ったから微妙に乱れたって事ですか?


『おそらくそうだと思います』


 フィーラの自然魔力(まりょく)が、魔力陣への自然魔力(まりょく)供給が滞った事で変化するって何の事か分かりますか?


『フィーラですか?・・・かなり昔、避暑地が神々で賑わっていた頃のコルト下界は、今よりも自然魔素(まりょく)の循環が2倍位多かったと記憶しています。ゼルフォーラ大陸のほとんどが大樹の森に覆われていましたねぇ~』


 それって8億年とか前の話ですよね?


『だった様な気もしますねぇ~。運の女神殿に確認してみましょうか?』


 出来るんですか?本人に聞いた方が早いと思う事が幾つかあるんで、俺が連絡を待ってるって伝えて貰えますか?


『おんやっ!それは構いませんが・・・どういう事でしょうか?はい。今、聖都スカーレットの幸運の神殿で御茶を飲んでいますよ。はい』


 え?


『レミレリラス鉱石で儲け話がまとまったと嬉しそうに帰って来た所に、ちょうど私も帰還しまして、近況報告を兼ねて御茶を飲んでます。はい』


 ・・・フォルティーナ。帰っていたなら一言あっても良いじゃ無いですか。


『あたしは、自由独立型だね。束縛は縛られる時だけで良いね』


 何言ってんだこの人は・・・。


 えっと、アランギー様との会話、聞こえてましたよね?


『当然だね。あたしを誰だと思ってるね』


 フォルティーナですよね・・・?


『そうなるね。・・・それでどうしたね。そんなにあたしに会いたかったかね』


 会いたかったというか、確かめたい事があるんです。


『仕事かね?あたしはプライベートには仕事を持ち込まない主義だね。仕事を持ち込む男は嫌われるね』


 この話を持ち込んだのは貴方だっと記憶してるんですが・・・。


 これプライベートとは違うんで、答えてください。先日言い掛けてた。(ヴァン)の迷宮や、森や街に変化が現れるってって具体的にどうなるのか教えて貰えませんか?


『分かったね。(ヴァン)の迷宮はだね。自然魔素(まりょく)が、コルト下界側からと神域側からの2つの方向から供給される状況が2億年以上続いているね。その自然魔素(まりょく)の循環に変化や乱れが生じる時、幻の28階層が出現するね。ボーナスステージだね』


 ・・・28階層ですか。


『あれは、30年位の周期で1日~2日間しか出現しないとっても希少な階層だね』


 あっ!俺知らないで28階層へのルートを消しちゃいました。


『ハッハッハッハだね。気にする事は無いね。ロイク。君は管理者だね。管理者の自由に管理するね』


 ・・・幻ですよね。創造神様が創造したんですよね?・・・時間に余裕が出来たら復活させる方法を考えてみます。


『うんうんだね。それがいいね』


 それで、森と街って、フィーラとワワイって事ですよね?


『街は、フィーラの北にワルクと呼ばれる廃墟があるね。そこの事だね。森は大樹の森全域の事だね』


 大樹の森全域が変化するんですか?


『何を言ってるね。変化するではないね。変化したの間違いだね』


 はぁ?


『今、ロイク。君達がいる森は、既に大樹の森に飲み込まれ、大樹の森としての活動を復帰させたね』


 ワワイの森は大樹の森になったって事ですか?


『なったではないね。戻っただけだね』


 どうしてまたぁ~


『アスピーに聞いてみるね。いつも一緒にいるロイクなら理由が分かるはずだね』


 確認してみます。


『それが良いね。それとだね。帰って来た時で良いと創造神に言われていたんだがね。この話の様に忘れてしまう可能性があるね。今伝えるね』


 なんでしょう?


『創造神はロイクに期待しているね。でも不安を感じているね。あたしに伝言を託したね』


 メールしてくれた方が早いと思うんですが・・・創造神様。神授で啓示もそうですが、毎回何かが微妙ですよね。


 それで、どんな伝言ですか?


樹人族(エルフ)枠で、メリア・ワワイバーン・ノイリア。獣人族枠で、バルサ・カトムーイ。妖精族(フェアリー)枠で、カトリーヌ・シモン・ヌードル。人間種3人を嫁枠に追加しておいたね。連携の歓喜忘れずに渡してね。だそうだね。それと、JOB【アンシヤンマジシャン(古代魔術士)】と、JOB【ロワデベット(百獣の王)】と、JOB【アクトリスヌエクラン(銀幕の女優)】を預かったね。近い内に会わせて欲しいね』


 ・・・それって、創造神様からの神授ですか?それともただの希望でしょうか?


『何を言ってるね。創造神の言葉は全て神授だね』


 ですよねぇ~・・・



「皆さん。調査は終了しました。原因が判明しました。帰還しましょう」


「大樹の英雄殿よ・・・良いのですか?」


「聖都に戻ったら、可能な範囲で、告白したいと思います。それと、親父お前の勝ちだ」


「おっ!そっかぁっ俺の勝ちかぁーうん良かったぁっ!・・・で、王様の父バイルっていつから名乗って良いんだぁっ?」


「・・・イーヴァルのバイルはどうするんだよ?」


「おう名乗るぞぉ!」


「そっか。良く考えて判断すると良いぞ」


「おう。任せとけぇい」


「あ、あぁ・・・」

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ