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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-076 モデル嬢再び

 次代の精霊王になるかもしれなかった桜の若木に宿りしキルシュクラ―ラことクラーラ様から「これをお持ちいだけますか」と渡された一枚の桜の葉を手に冥の深淵の第二層ルーラルプレインへと移動した。

 行きは階段帰りはゲート・・・ホント便利って偉大だ。


 などとくだらないことを考えながら、休耕田の拠点跡地にタブレットの収納から魔道具の空飛ぶ絨毯こと【空飛ぶリビングダイニングセット・中・基調色深緑】を取り出し話し合いの席をセッティングしていると地面が微かに揺れモデル嬢の声が聞こえて来た。


「こげん早よ遊びに来てくれるなんて嬉しか。もしかしぇんでもディアナ嬢ん件やなあ? ・・・ちょっと待っとってくれん。そっちへ行くけん」


 これって振動だよな。足から耳に伝わって・・・やっぱそうだよな。音は振動で振動は音で・・・。


「おはようごじゃいます」

 拠点跡地の一隅が隆起しモデル嬢が姿を現した。


 ・・・。

 凝視。

 ・・・宙に飛び散った泥が集まって姿を形成する様は流動的で艶めかしくて何となくエロスを感じてしまうのは俺だけだろうか。


「これお土産ばい」

「あ、ありがとうございます」


 セッティングしたリビングテーブルのジュルムコーティング加工済みのソファーに迷うことなく腰掛けたモデル嬢からお土産を受け取りタブレットの収納に入れる。


***********************

・冥の深淵第二層ルーラルプレイン

 新名物ルーラルプレイン産の米糠 3Kg

***********************


 おっと・・・まさかの米糠いただきましたぁ~。収納にt(トン)レベルで入って・・・イヤイヤこいうのは気持ちだから・・・ありがたやありがたや。


「朝食は食べて来ちゃったんで軽いお菓子と紅茶で我慢してください」

「甘かクッキーがありゃあそれだけでうちゃ嬉しか」

「あ、はい」


・・・

・・

 

 工房ロイスピーの普通のクッキーと俺が厳選した甘い香りが売りの紅茶を楽しみながらディアナ嬢の話で盛り上がる桜の葉から透けた状態で姿を現したクラーラ様とモデル嬢とミューさんとマルアスピーに任させておけば問題ないと判断した俺は一言断りを入れバジリアさんとマリレナさんとリシュルと文句タラタラのトゥーシェを引き連れ黄金の頭を垂らす田圃に移動した。


 実るほど頭を垂れる稲穂かな。というわけで。

「新米は沢山ありますが、稲刈りをしたいと思います」


・・・

・・


「嘘だったら絶対に許さないのじゃ、イチゴとバニラとミルクとチョコレートとチーズのエクレアを必ず渡せなのじゃ」

「はいはい、終わったら渡しますって。ホラホラリシュルを見習って稲刈り稲刈り」


「ブゥ―――、あぁーあっ失敗じゃ、つまらなそうだからってこっちに付いてこなければ良かったのじゃぁ~・・・マルアスピー達のところに残っていれば今頃は・・・」

「稲刈りを対価に頬が落ちる程に甘美なエクレアを手に入れるのか、取り立てて興味のない席に残りクッキーを摘まむのか、もう一人の(ワラワ)よ悩むべくもない。稲刈り一択ではないか」

「そうなのじゃ・・・が・・・じゃがあの神共が視界に入る度にムカつくのじゃぁ~ムッキィーッなのじゃぁ~~~っ!!!」


 見なきゃ良いのに。・・・まっ、トゥーシェには無理な話だな。


 頬を膨らませブーブー言ってるトゥーシェから畦道で寛ぐ女神様'sへ視線を移す。


 俺が設置したリクライニング式のデッキチェアで寛ぐ夢と希望浪漫が詰まりまくった官能的で攻撃的なお召し物を纏った遊狐様悪狼神様フラン様ロザリークロード様。


 ・・・。

 凝視

 ・・・トゥーシェには悪いが適材適所。精神衛生上、需要と供給のバランスは絶対だってマリレナさんが言ってたし。

貴重な時間をありがとうございました。

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