8-074 キルシュクラ―ラ・フル・アピロレイ
ロザリークロード様御所望のBBQも当然抜かりなく。朝からガッツリ目の滅茶苦茶ハードな朝食を一本の桜の木を囲み楽しむ。
主にマルアスピーが間に入っての細い桜の木の精霊様との会話の合間に小高い丘の上から裸眼(神眼OFF)で眺める隠蔽の楽園は三百六十度結構それなりに遠くまで見えてボォーっとするのにもってこいのロケーションだ。
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「そうね、私は歴とした精霊よ。少し前まで精霊樹の大精霊だったのだけれどその世界の管理を任されたロイクの助手になるのを機に世界樹を前任者に委ね戻したの」
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「珍しいケースなのかもしれないのだけれど、タイミングと経緯次第でなんとでもなるものなの」
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「私と同じアピロレイの・・・・・・あら、貴女ここで生まれたとばかり・・・」
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「え? えぇぇっちょっと待ってちょっとだけ待って貰えると嬉しいのだけれど・・・キルシュ・ヒドゥンパラダイスは通り名のようなものでキルシュクラ―ラ・フル・アピロレイが・・・」
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「プリフェストに次代の王無色を奏でる十色の子供が誕生した。許多の神々の降臨は祝福の兆し幸か不幸かプリフェストは祝福の中。望まずとも享ける神域化の嘆き軋むは循環担うプリフェスト」
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「ミトも同じことは言っていたわ。プリフェストの時の理で五十億年から八十億年程前にアピロレイ家で起こった本当の話だと。・・・ドゥーミナという名前に心当たりはないかしら?」
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「そう、そういうこともあるのね。プリフェスト生まれは産まれた時から中精霊だとばかり、そう信じていたのだけれど・・・貴女のように逸脱した力を持って生まれてしまった精霊は誕生と同時に力の放散を最小限に留める【収束】のスキルを持っているから微精霊や小精霊と勘違いされるのね」
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「そうね。貴女はドゥーミナの実姉或いは伯叔母にあたる可能性が高いわね」
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途中からマルアスピーが一人で盛大にやらかしちゃってる感じになってしまっているが会話は成立しているんだろう。
遊狐様、悪狼神様、フラン様、ロザリークロード様、ミューさん、マリレナさん、バジリアさん、エリウスがたまに食べる手を止め頷いているところを見ると、タブン。
「ロイクはんは神眼はえらい使いこなしてるようどすけど神耳はまだまだのようどすなぁ。息抜きどすし朝早うからのピクニックも悪ない思うとったんどすけど。やっぱしこなってまいましたなぁ。これえらい面倒事の予感がしますえ」
貴重な時間をありがとうございました。




