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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-058 冥下界に帰界

「ただいま戻りました」

 隠蔽の楽園(ヒドゥンパラダイス)銀行ゲスの極み金庫ナスティロックボックスの出口専用ゲートから外に出た俺達を待っていたのは。


「「「...... ~ ......行ってらっしゃい」」」

「...... ~ ......わね、皆、気を付けるのよ」

 手を振り俺達を見送っていたはずの、イザーク君、アリスさん、サラさん、テレーズさん、バルサさん、メリアさん、カトリーヌさん、エルネスティーネさん、サンドラさん。


「…… ~ ……マルアスピー様ロイク様神々の皆様方お気を付けて行ってらっしゃいませ」

 深々と頭を下げ見送りの言葉を俺達に掛けるパフさん。


「あらお帰りなさい、銀行に行くだけなのになかなか帰って来ないから心配していました」

 と、フレアリース様。


「混んでいたにしても随分と時を要したようですね。天使達にも困ったものです」

 と、大天姫神(オオアマヒメガミ)様。

「天使達に仕事を任せると余計に仕事が増えるだけなので、公務で遣うのだけは勘弁してください。と管理神達からの意見書が多く、ここ四百年余り家では採用を控えるようにしていたのですが、銀行ではまだ・・・そうですか災難でしたね」

 と、華南姫神(ハーナンヒメガミ)様。


「ロイクさん酷いです、私を置いて行くなんて」

 俺の姿を見つけた瞬間駆け寄って来るアルさん。


・・

・・・


―――コルトの時の理でほんの十九日前。


「まだかねロイク?」


 俺達の中で最初に貸金庫の手続きを終えたフォルティーナが重厚感が半端ないビンテージの五人掛けの高級ソファーの真ん中に深々と腰掛け四時間程前から左隣に座る俺にグチグチと言って来る。


 サッキからうるせぇ~~~マジで・・・これは貴女神様(アナタサマ)が仕込んでくれた嫌がらせですよね。違いますでしょうか?

「フォルティーナ、一(ラフン)くらい前にも言ったと思いますが、受付の天使の頭上をみてください」

「・・・見たね」

「何て書いてます」

「十一がどうかしたのかね」

「隣の天使の数字はどうなってますか?」

「さっきと同じ十と十二がどうかしたのかね」


 ・・・そのドヤ顔腹立つわぁ~。・・・落ち着け俺、落ち着け・・・。


「さっき呼ばれたばかりのマリレナさんが何時間待ったか知ってますよね?」

「三時間半くらいだったはずだね」

「そこで問題ですが、俺って六百十九番ですよね。九番のマリレナさんが呼ばれるまでに三時間半かかりました、さて俺が呼ばれるのは何日後になるでしょうか?」



 とまぁ~。


 隠蔽の楽園(ヒドゥンパラダイス)銀行は行内に設けられた無料の高級宿泊施設遊戯施設を拠点にして同じく行内に設置された専用ゲートを利用して第一層のサンドブリッジ第二層のルーラルプレイン第三層のスィートゥロゥータスルートゥ第四層のジブラウンドガーデン第五層のワンダーリングジョイ第六層のフォーギブネスコリドーの好きな場所を自分のペースで観光できるようになっていた。


 十九日間という膨大な時間を利用して第三層のディアナ嬢と第二層のモデル嬢と壊してしまった第一層のゴンガンさんを除いた各層の管理者に挨拶して回ったり。


 壊してしまったゴンガンさんの修復作業を手伝ったり。


 各層の絶景ポイントや目玉料理を楽しんでみたり。


 幾ら伐採しても数時間後(コルトの時の理では)には何故か普通に生えている木を伐採し回収してみたり。


 撒けば数(ラフン)で出来上がる塩を回収してみたり。


 残りの稲を刈入してみたり。


 蕎麦の種を収穫してみたり。


 歪な方のスクルー・ジ・ズ・オーブを拾ってみたり。


 銀行のルールやサービスを確認したり利用したり。


 と、まぁーこんな感じで冥の深淵に入った当初とは比べ物にならないくらい快適で有意義な十九日間を過ごし、他にも色々なことが起こったが貸金庫の契約を無事に済ませた訳だ。

貴重な時間をありがとうございました。

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