9話 二日目
1000字にも満たない状態ですけれど、投稿します。
現在調子の上下が激しいので、書ける分を書いていこうと思います。
ガラ。
委員長と一緒に宿題をしていると、ほかのクラスメートが教室に入ってきた。
「おはよう!
お、なんだ佐藤。
お前いつの間に委員長と仲良くなったんだ?」
「そんなんじゃないわよ!」
俺が断るより早く委員長が返事をした。
「もしかして宿題ついでにタケシに勉強を
教えてやってんのか? さすが委員長!」
(そう、そういうこと)
言われた委員長は一瞬驚いた顔になってから、クラスメートを睨む。睨まれたクラスメートはわけがわからないと言う風に席に戻って寝てしまった。
「そっか。委員長は俺に勉強を教えてくれてたのか。
ありがとな」
気づいてない振りをしながら素直な気持ちを委員長に告げると、委員長が驚いた顔をした。今度は一瞬ではない。
「あんたってそうやって笑えるのね……」
確かに俺は、ユウとの話以外で笑ったことなどほぼない。
委員長がそう思うのも当然だろう。
それから、何人かのクラスメートが来た後同じやりとりをし、都度何回同じことやんだよ、と先に来たクラスメートに突っ込まれたりした。
勉強がまだ追いついていないことを考えて補修を自ら先生にお願いした。
先生は気兼ねなく応じてくれた。やる気を出しているのが嬉しいようだ。
みっちりと補修をやって、先生にお礼を言い教室を出る。
下駄箱で靴に履き替え、門に向かって歩くと門の前にタクシーが止まった。
ドアを開けて出てきたのは奈緒子だった。
「あ、タカシくん! こんなところで会えるなんて。
久しぶりだね!」
小走りで近寄ってきて声をかけてきた。
「奈緒子、今日はどうして学校に?
退院はまだ先だろ」
「復学の手続きなの。
今リハビリで体力を戻している最中なんだけど、
校長先生が一度顔を見て話したいって」
奈緒子と他愛のない話をしていると、タクシーからもう一人おりてきた。
奈緒子の母親だったと思う。
「奈緒子、何してるの。
行くわよ」
「あ、うん。
タカシくん、またね。
残り少ないけどお見舞いにもきてよね!」
奈緒子は母親について下駄箱のほうに向かっていった。
復学することは知っていたけれど、改めて現実感が高まる。
俺はまだ復学して二日目。ちゃんと学校生活を送れているか、家族生活を送れているか、若干の不安があった。
その日は帰って両親ともいつも多めに話をした。
少しだけ予習もしたが、慣れないことをしたために眠気がすぐ来てそのまま寝てしまった。
けれど、あの何も生み出さなかった日々の睡眠に比べたらとても気持ちよかった。