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3話 花

花言葉とか調べて、もうちょっと内容を濃く……なんて思ったのですが、無理でした。

タカシ程じゃないかもですが、自分も花屋なんて人生に1度か2度くらいしか行ったことなかったから……orz


奈緒子と小一時間会話し、そして病室を出た。

病室を出るとき、奈緒子からまた来てね。と言われる。

知らない人に向かって話をしようと言ったり、また来てね。と言ったりととても変なやつだ。

しかし、また今度行く時にはお見舞いを持ってこないといけないのだろうか。そのようなことを考えていると、通路で中年の女性とすれ違った。奈緒子がそのまま成長したらこうなるだろうと言った感じの女性だ。

きっと母親なのだろう。なんとなく、心の中で頭を下げた。




奈緒子はタカシが部屋を出る背中を見送った。

目覚めてから話した相手で、一番楽しかった。今まで話した相手は、誰もが相手の意見を押し付けるような会話ばかりだったと言うのも理由の1つに違いないだろう。

そろそろ病院を出た頃だろうか。と窓から外を眺めると、丁度病院から出て行くタカシが見えた。

もし振り向いてこっちに気づいたら手を振ろうかと考えていたが、そのまま行ってしまった。

そのまま外を見ていると、母親と言う人が入って来た。

母親は奈緒子を見ると、


「奈緒子、誰か来ていたの?」


と尋ねて来た。流石母親と言うことなのだろうか。奈緒子の顔色1つで何かあったのか感じ取れるようだ。


「内緒」


奈緒子がそう笑って言うと、母親は変な子ね。とでも言うかのような顔をした。

そして、奈緒子の着替えを棚にしまっていく。


「今日はいつもよりずいぶん起きているから、

 そろそろ眠くなる頃でしょ。

 一旦寝るといいわ」


奈緒子に近づきそう声をかけてくる。

実際奈緒子の方も少し眠気がきていた。手に持っていた小説にしおりを差し込んで、枕元におく。

そしてベッドに深く入り眠ることにする。


「お母さん、ありがとうね。お休み」


奈緒子はそんなこと思ってないのに、敢えてそう言った。

そしてすぐに奈緒子から寝息が聞こえ始めた。


「この子ったら……眠い時はすぐ寝るのは変わらないのね」


母親は奈緒子が子供の頃から寝つきが良かったことを思い出していた。

こんな時でもなければ思い出さないことに、少々切ない気持ちを抱えながら。




家に帰ってきた。

玄関を開けると、音に気付いて母親がお帰りと迎えてくれた。

どこに行ってたの? と聞いてくるが応えずに部屋に向かう。

ベッドに仰向けに倒れ込むと、今日あった奈緒子について考えていた。

同じ高校、おそらく同じ学年、そして記憶喪失。とても変な奴だ。でも面白いやつだったな……そう思えた。


翌々日、俺はまた母親に部屋から出ろと言われていた。

病院に行った次の日はまた部屋に引きこもっていたのだ。

ドアが壊されんばかりに叩かれ、仕方なく部屋から出る。とりあえず母親から何か言われる前に家逃げるように家を出た。


スニーカーを半履きの状態で走るように家から出ると、一旦近くの公園に寄る。

この公園は近所の子供とその母親のたまり場のようになっており、流石にここにいるのはあまりよくないな……と思いすぐに離れた。結局行く場所がない。

ユウのことを思い出し、そして病院、奈緒子と連続で頭によぎる。

病院に行くことにする。行く途中に花屋を見つけたため、寄ってみる。昨日考えてみたのだけど、やっぱり見舞いの花くらいは必要かもしれない。

花屋に来たのは初めてだから何を買えばいいのかわからない。

少し店の中を歩くと見知っている花があった。カスミソウだ。花をじっと見ていると店員が話しかけてきた。


「カスミソウですか? 束にするととても綺麗ですよ」


店員はそう言って数本束にして手に持ってどんな風になるのかを見せてくれる。

束になったカスミソウはとても良かった。地味に見えるかもしれないが、決して誇らず、そして清く、おしとやかだ。

5本ほどを束にしてください。と頼むと、店員は小さな花束にしてくれた。

俺はそれを受け取り、病院へ向かってまた歩き出す。


この小説は作者が割と直感的に書いているので、内容に目的のようなものがあまりありません。

自分でもそれをわかって書いていて……本当は少しでも目的のようなものがあるといいんだろうなあとは

思っています。

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