夏の日のこと
思い出は、水面に浮かぶ泡のよに、浮かび弾けてせせらぎの 隙間に溶けて消えてゆき。
私の事を あの人は、忘れただろか、放課後に、祭りの夜に手を繋ぎ、二人歩いたこの道を、一人歩けばそう思い。
突き抜けるよな青い空、積乱雲の眩さに。
肌を撫でゆく涼風が、木立を渡る夏の音に。
降りしきる雨、夕立のそれによく似た蝉時雨。
向日葵の花、揺れ動き、陽に向き並ぶ道の先。
目に映るもの、その全て、思えば君が色添えて、連なる山も、雲も陽も、いっそう綺麗に輝いて、ケの日の中の一時も、君と過ごせばハレの日に。
陽の傾いた道歩き、つらつら思う夏の日のこと。
夏の日の、いつか歩いた道行けば
脳裏に浮かぶ君の横顔。
五七五七五七……五七七。
長歌の形式です。
最後二行は五七五七七の短歌の形式。
要するにこの文は長歌と反歌から成っているってこと。
読んで下さりありがとうございました!