攻防(弐)
彼、イシカワ・ゴエモンは全方位から伸びる腕を見て即座に判断する。「全方位だとしたら、一部でもその包囲を壊せば良い」と。その通りである。単純に、ゴエモンを殺すことしか考えていなかった。彼がこの包囲陣を突破したら、、、等考えている訳が無いのだ。それを見越したゴエモンはすかさずあえてガードの厚い左側へと走り、停滞者の股下をスライディングで抜ける。即座に起き上がり刀を抜く。
「死ねよ。花芽旋風・そよ風」花芽丸を軽く振る。すると辺りには突風が吹く。そよ風なんて名前の割に威力は十分竜巻に匹敵する。
「ガァッ!!」停滞者は飛ばされる。吹き飛ばされる。砂塵を背後に彼は更に本丸へと近付いた。
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忍者、ハットリ・ハンゾウ。既に彼の前に停滞者はいない。彼の足元には、それらの死体の山である。「弱いな」彼の口から出た言葉に感情が一切無かった。
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停滞者・本丸
ゴエモンが振り下ろした太刀が停滞者のリーダーを裂いた。
たった二人で壊滅させた停滞者の軍勢―その数およそ一万。停滞者の中で生きてる者はいない。いない―「はず」だった。
時代は更なる動乱へと向かうことなど、誰も知っている訳が無いのだった。
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TO BE CONTINUED.......