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ハーライベンツ島(伍)

その発言は、ヘタをすれば世界の常識を変えるものだった。

「いや、魔法じゃないってのはどうも違うな―。そうだ、魔力を使わない―これが一番適切だな」

今まで何処にいたのかわからないが、ヘレンが現れる。

「いや、それこそ違うだろ。なんて言えば良いのかわからないな」ヤシロは頭を抱える。

「―魔力を使ってもすぐに回復するんですよ。この島は、土の中から魔力が噴き出しているんです。ここの空気は魔力が実に成分の40パーセントを占めているんです。だから、無意識のうちに、魔力を、回復して、いるんです」セフィロスが説明する。それが1番、正解に―真実に近かった。


けれど、それも、少しだけ、異なっていた。


「よくわからない。、、、」ルナの疑問は最もだが、それ以前にこの島の人間が理解していないのだ。説明なんかできるはずがない。


「さてと、、、。この停滞者共はなぜ襲って来たのか―これも私にはわからん」

誰にも解らないだろうが、けれど、推察はできる。

1つ、ヤシロに釣られてやって来た。

2つ、今でも潜んではいたが襲撃がなかった。そのタイミングが偶然に重なった。

3つ、誰かが送り込んだ。


「例えば―。〈中間者〉が」ヤシロのその言葉にルナは首傾げる。〈中間者〉という単語をはじめて聞いたようだ。それもその筈、まだ知っているのは第一部隊だけなのだから。ルナに説明する。乱射魔に殺人鬼の事を。しかし、あのマッドサイエンティストはかなりの変人故に、ヤシロにすら言わなかった。そもそも彼は、ヤシロに対して〈肉体的興味〉があってその元で働いているだけ。忠誠心など毛頭ないのだ。あえて補足しておくが〈肉体的興味〉というのは、彼の不死身体質にであって、男色ではない、、、少なくともヤシロはそう信じたいのだ。信じたいが、目つきが怖くて信じきれていない。

「、、、こんな島に居られねぇ。帰るぞルナ」


「なぁーいつからお前は私にタメ口をきくようになった?」


「だって、アンタと俺は〈敵〉だろ?この状況で敵味方なんて関係ないかもしれない。いや―アンタは俺の〈敵〉だ。この島にいる間は協力しよう。だが―帝都に戻ったら、〈殺す〉ぞ」その声に迷いがあった。敵―確かにそう割り切る事もできた。けれどできなかった。性格の問題なんて陳腐な理由ではなく、性質の違い。性格の、間違い。だって彼は、〈停滞〉しているのだから。

「そうか。そうか!わかったよ!!貴様と私は敵だ!!」急に激昂するルナ。

「お前は何も知らん!!私の悔しさも、恥ずかしさも―抑えられない、どうしようもない〈好き〉って感情も!!どんなに手を伸ばしても何時も躱される。触れたら消える。どんなに思いが強くても届かないのは何故だ!!何故なんだ!!それは気様が、あの〈エヴァ〉という停滞者ごときを好きになるからだ。あんなヤツじゃなく、私を見ろ!!私だ!!〈ルナ・A・フレデリカ〉ただ一人を!!何故貴様は、私以外に笑顔を見せる?私の前で笑った事など1度もないではないか。何が違う?ヤツと私の、何が違う!!」その答えは簡単で、けれど口にすれば、すぐに難解になる。だから嘘を付く。嘘を吐く。正反対の言葉を口にする。



「アンタの事が、大嫌いだからだ」



沈黙。そして。雷撃が飛んで来る。ここでやり合うのはまずい―そう判断したのか、ヘレンが動く。辺りが煙で見えなくなる。ヤシロは、ルナは、眠くなる。そして、倒れる。


次に目が覚めるとそこは―

「帝都、、、!?」宮殿の正門前にいた。何が起きたか解らないルナを他所にヤシロは宮殿の中へと歩き出す。顔パスが効くのか、近衛兵は止めない。その後をルナが追う。

「待て!!そうやっていつも私に説明しないままじゃないか。自分だけ納得するな。説明してくれ」


「アンタ―魔法は出来ても人の心を読む事はできねぇんだな。アソコであぁやって挑発に乗ってくれて助かったのは事実。でもさぁ―天獄はねぇって」そう言って笑う彼。ヤシロがはじめてルナに笑顔を見せた。


「いや、私は何もしていないぞ。天獄は使っていない」その言葉が意味するのは、ただ一つ。


「そこから離れろ!!ヤシロ!!」やはりな―と、ヤシロは言って鉄扇を抜く。

「これでわかったよ。ヘレンの能力と―雷撃の正体も」飛んで来る雷撃を流して相手を見据える。

「来いよ、〈雷帝〉!!二回戦目、はじめようぜ」


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


TO BE CONTINUED……

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