裏表
いったいいつまで続くのか。停滞者の進行に対しての対策会議は終わりが見えない。僕はそろそろうんざりしてきた。
「ヤシロはどう思う」人類最強、ルナ・フレデリカが僕に意見を求める。この事態にどう対処するか。そんな感じだろうか。剣客と忍者を偵察に向かわせてもう一時間経つだろう。それを考えて意見を述べる。「全面戦争でもしますか」と、軽々しく。
「本気か!」第二部隊長、[雷帝]こと、[パトリア・イージス]が叫ぶ。それを完全に無視して続ける。「殺られる前に殺る。僕の理念を押し付けるつもりは無いですよ。ですが今、ここで、仕掛けなければ帝都は―」僕は深呼吸をして続ける。
「1000年の歴史を誇るこの帝都は、滅びますよ。どうやらさっき僕は幹部クラスの停滞者を殺してしまったようです。その責任を取り、僕だけに戦えというならば僕は。僕は。1人で掃除しますよ」
この言葉を聞いたこの場の人間は諦めた。ここにいるのは[ヤシロ・ラングラー]ではないのだと。ここにいるのは[ヤシロ・レール]なのだと。そう周りが感じたのを僕は、理解した。
怒りに任せて停滞者を惨殺し続けた人物。かつて[闇]と呼ばれた停滞者殺しのプロ。血を浴びて高らかに笑う。死体を見て興奮する。何よりもケガに悦びを感じた。それ以上に、僕は、殺人を犯した。帝都の人口を一晩で2割減らした狂気の中の狂気。それがかつての僕だ。もしかしたら今回の戦争であの頃に戻るかもしれない。しかし、それでも僕には。守りたい妹が。守りたい好きな人が。第一部隊のメンバーがいる。だからこそ僕は。僕は。僕は―。俺は。だから戰う。
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[帝都外・クルーズ高地]
ここは停滞者が近づけない場所。理由は不明。そこにいるのは、第一部隊一の常識人。かつて詐欺師として名を馳せた人物。名前を[エリック・レオナルド]という。嘘を着くのがお仕事。だから彼は嘘しか言わない。「なんだ、普通だね。停滞者が来てないじゃないか。ここにいなくても良かった」第一部隊一の常識人。繰り返すが。これが第一部隊一の常識人である。それから彼は裁縫針程度の大きさの針を両手の指の間に挟む。計四つの針を停滞者に向けて放った。その瞬間停滞者の視線が全てエリックに向く。それを見てさらに嘘を重ねる。「あーあ。つまらない」と。
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TO BE CONTINUED.......




