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殺人鬼(壱)―攻防(陸)

殺人鬼[アミラル・ブラック]。彼女の使う武器は、現地調達。相手の武器を奪って戦う。もしくは、その場にある物で戦う。だが、しかし―


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★☆☆☆☆☆☆☆☆


「ハハハハッ」アミラルは逃げて行く殺戮対象を歩いて追いかける。何故だろう。何故逃げるのだろう。彼女には解らなかった。停滞者が攻めてきた。そんな事はラデンがドローンを確認した時に解りきっている。忍者と剣客が前線に立っているのは知っている。トリガーハッピーが宮殿に行って、万が一の時に皇帝を護れるようにしているのも知っている。彼女は、今。帝都一の広場[アクアライト広場]にいた。アスレチック場にトレーニングジム。プールにキャンプ場。とにかく、様々なモノを詰め込んだだけの場所。それだけと言ってしまえばそれだけなのだが、この場所はアミラルにとってとても有利なのだった。『だった』―それは、それ以上もそれ以下の意味を持たない。

時間はわずか十分前に戻る。



「よぉ。ここは人間様の広場だぜ。テメーみたいな異形が来る場所じゃねぇの。帰ってくれよ」アミラルはいつも通りに[殺戮対象]に向けてそう言い放った。しかしながら、停滞者はそれを聞き入れる訳が無いのだった。それを踏まえた上でアミラルは更に続ける。「ハァ。帰らねぇと、土に還すぞ」しかし、停滞者は聞き入れる気配が無い。それどころか、聞いているのかさえわからない。元から短気な彼女は「帰れって言ってんだろうがぁ!!!!」そう叫び、その場にあった広場の木を丸ごと投げる。勝った。アミラルは確信した。『ゴッ!!!!!!!!』鈍い音が響き渡る。それは、停滞者に木が当たった音。否―『謎の人物が木を受け止めた音』である。謎の人物。それは時を同じくして、トリガーハッピーが宮殿で戦ったアイツと同じ、暴力の化神。停滞者は、そいつに跡形もなく一瞬で抹殺された。突如現れた目の前の『それ』に対してアミラルは恐怖ではなく、喜びを覚えた。「久々に私が本気出せそうじゃねぇか。おもしれぇ。テメェ、名前は?」そいつに尋ねる。するとそいつは、「中間者、四天王。イオ・ビアンカだ」中間者。それはトリガーハッピーが戦った相手。しかし現時点でアミラルはそれを知っているはずが無いのだ。だからこそ彼女は中間者に対して何の抵抗もなく力任せに突っ込んだ。


★★★★★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★★★☆★☆☆


この世界は最悪だ。アミラル・ブラックは霞む視界の中の人物を見てそう思った。もっと強くならなきゃ。もっと強くならなきゃ。もっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと強くならなきゃもっと―強くならなきゃいけないんだ。彼女もウィンダライ区出身の人間。人ではない人間。国籍は勿論のこと、戸籍がある訳が無いのだ。だから、強くなって周りから強奪して、剥奪して、絶対的なトップにならなくてはいけなかった。それから毎日毎日人を殺めた。そんな彼女だからこそ。だからこそ、命が大切だなんて言わない。その決意の下に彼女は突っ込む。

「ダラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」彼女は中間者の心臓目掛けて発頚を打ち込む。しかし、中間者はビクともしない。それに対して驚きもしないアミラル。今まで無かった敵に心が踊る。その隙に中間者は魔法を使う。

[爆段]―それは、爆発するだけの魔法である。爆発以外の何でも無い。しかし、爆弾魔と違うのは、爆発すると、周囲の空気が誘爆するのだ。術者の意思で止められる。しかしそれを知らないアミラルは―。喜々として爆発の中に飛び込んで行った。


★★★★★★★★★☆☆☆☆☆★★★★★★★★★★★★★★★


TO BE CONTINUED.......

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