悲しい涙は見せないで
前回短いと言ったな。あれは嘘だ。この量が標準の様です。(´∀`)
紫お姉ちゃんが涙目になりながらプルプル震えている。
その原因は僕の一言なのだが、何故そうなったのかいまいち理解出来ない。
「た、太助? もう一回言ってくれるか?」
藍お姉ちゃんが、動揺した様にそう言ってきた。
「え? (久しぶりに)霊夢ちゃんの所に(遊びに)行きたいなって……」
「……聞き間違えでは無かったか」
「え?」
「何で!? 何で出て行っちゃうの太助! この家じゃ駄目なの!?」
「ええ! どういう事!?」
三人でワーワー騒いで勘違いだった事に気づいてもらえた……。僕も言葉足らずだった事は反省。
しかし、二人にも早とちりした事は反省して欲しい。妖怪の賢者とその式なんだよね?
「コホン……それで、霊夢の所に行きたいのね? じゃあ、私が」
「いえ、私が行きましょう」
「え? 藍?」
「そうだね。藍お姉ちゃんお願い」
「ちょ、太助?」
「では、準備が出来次第出かけます。紫様」
「行ってくるね、紫お姉ちゃん」
そう言って僕と藍お姉ちゃんはそれぞれ自室に戻る。後ろから無視しないでー!と聞こえてきたけど気にしない。
ただいま、博麗神社に向かって藍お姉ちゃんに抱き抱えられながら空を飛んでいる。
「いやー、太助が話を合わせてくれて助かったよ」
「やっぱり? 合わせた方が良い気がしたんだ」
「ああ。今日は休暇のつもりでゆっくりさせてもらうよ(休暇は口実だが紫様だと霊夢にすら嫉妬してしまうかもしれなかったからな……)」
「あ、博麗神社が見えてきた」
その言葉に応える様に藍お姉ちゃんは高度を下げる。
「そう言えば、僕を抱き抱えて飛ばなくても穴を通って行けば早くて楽だったんじゃ……」
「……まぁ、そんな時もある。気分だよ(いつも紫様に取られて出来なかった抱っこをしたかっただけだし)」
「?」
そんな言葉を交わしつつ、境内に降り立った。
久しぶりに見る博麗神社は少し寂しいながらも堂々とした姿を見せる。
「どれ。霊夢を呼んでくるからここで待っていなさい」
そう言って藍お姉ちゃんは本殿へと入っていく。
……少しすると少女が走ってきた。霊夢だ。
霊夢はこちらを信じられないものでも見る様な顔をして見てくる。
「久しぶり。霊夢ちゃん」
そう言って、僕は笑った。
……けど、霊夢ちゃんの目からポロポロと涙がこぼれた。……何で!?
「ぐすっ……ひっく」
「れっ、霊夢ちゃん!?」
慌てて駆け寄る僕。大丈夫?と肩に手を置いたら抱きつかれてしまった。
「太助さん……太助さんだぁ」
そう言った霊夢ちゃんは、泣いていたけど、笑顔だった。
今回は一話完結じゃなくて続きますー。次回もよろしくお願いします。(´∀`)