不思議な気持ちでした
初恋かどうかは判らない。だけど昔に憧れた年上の女性。そんな感じなのを意識。
私の想像は色んな物語の影響を受けてますw
意識がある時と無い時の境界ってどこなんだろう。
寝ようと目を瞑るまでは覚えてる。だけど、気がついたら朝になっている。
眠っている時の外部からの情報を認識出来ないって何だろう。
動いて、喋って、だから僕は僕だと認識出来る。
眠っている時の僕を僕は認識出来ていない。
僕の意識が無い時の僕は……僕と言って良いのだろうか……。
ひょっとしたら、記憶が受け継がれているだけで……昨日の僕と今日の僕は別人なのかもしれない……。
昔、そんな事を考えてしまって、自分が何なのか判らなくなって、紫お姉ちゃんに泣きついた事があった。
その時に何て言われたんだっけか。
確か……。
紫お姉ちゃんが困った様な笑顔で言ってた言葉は……。
「それじゃあ、私の前で泣いている太助はだあれ?」
僕は太助だよ! 本当だよ紫お姉ちゃん!!
「そう……。なら、それで良いんじゃないかしら」
え?
「知らない人から見れば知らない子。それとも小さい男の子かしら? そこに太助と認識している人は居ないわ。だけど、太助を太助だと認識すれば、その瞬間太助は太助になる。良い? 太助。自分が何なのか見失っては駄目。自分を自分だと認識し続けなければ駄目。太助は太助でしょ? それとも、貴方は藍?」
違うよ……僕は太助だよ……。
「ええ、そうよ。貴方は藍じゃない。貴方は紫じゃない。貴方は太助。太助が太助だと認識した時、貴方は太助なのよ」
…………。
「……太助にはまだ難しい話だったかしら?」
いつか判ると良いわね。そう言って紫お姉ちゃんは笑って僕の頭を撫でてくれた……。
視界が暗く、頭がぼーっとしている。はっきりしない意識の中で、夢を見てた事だけは漠然と理解した僕は、瞼を上げる。
全体的に心地良い感触は布団に寝かされていたからか……。
徐々に全身に感覚が目覚めてきたので上体を起こす。ふと、違和感。
掛け布団を捲り落とし穴に落ちた時に捻った足を見たら少し圧迫感がある程度にサポーターが巻かれていた。
そして木片が刺さった腕も処理済みみたいで、包帯が巻かれている。
「って、サポーター?」
サポーターが何で幻想郷に? と疑問に思った瞬間、凄い勢い襖が開かれた。
その時のスパン! と言う音で周りの気配に全く意識を向けていなかったので凄く驚いてしまう。
「わっ!? びっくりしたー」
「ビクッてした太助さんも可愛い……じゃなくて起きたのね太助さん! 体の痛みはどう!? 何があったか覚えてる?」
「霊夢ちゃん? 何があったって……ああ、気絶する時の事?」
僕が返事した事に安心した顔を見せてくれた霊夢ちゃんは僕が寝かされていた布団の横に腰を下ろす。
「どんな場所か事前に教えてもらえてたら、もう少し気をつけれたけど……」
「本当……ごめんなさい」
「……ううん、特訓してるのに無様に怪我をした僕も悪かったよ。八つ当たりみたいな事言ってごめんね」
僕がそう言うと、霊夢ちゃんにとってこの土地に罠がある事が当たり前な事だったものだから、僕に伝える意識が無かったとまた謝ってくれた。
謝罪合戦になっても仕方が無いと思い話を切り替える。
今更だけど、周囲を見渡すと押入れと箪笥がある位の殺風景な部屋に布団が敷かれていて、僕はそこに寝かされていたみたいだった。
「ここは?」
「ここは」
「ここは永遠亭よ。顔色は悪くなさそうね」
霊夢ちゃんの言葉に被せて軽い説明をしながら一人と一匹(妖怪は匹)の女性が入ってきた。銀に輝く髪が綺麗でっ!?
「太助さん?」
「あら?」
「! ああいえ! だ、大丈夫です!!」
びっくりした。凄く綺麗な人だったものだから思わず見惚れちゃった……。
「大丈夫? もう少し寝る?」
「大丈夫だよ、霊夢ちゃん」
「仲が良いのね。それなら、少し話をしましょうか。私は八意永琳。薬師を生業としているわ。そして、こっちのは私の助手をしている鈴仙・優曇華院・イナバ。好きに呼んでちょうだい」
「宜しくね」
「えっと、永琳さんと鈴仙さん……。はい、判りました」
永琳さんの言葉だけを受け取れば、少し堅い言葉。だけど、お姉ちゃん達と同じ様にその声と微笑みは優しくて、ずっと聞いていたいと思った。
僕は、その微笑みから目を離せなかった……。
出番が少ない紫を無理やり出す荒業。(`・ω・´)シャキーン




