感情移入もほどほどに
|゜Д゜))) 今回短いですー
風邪も治って数日が経ちました。
茶の間に行くと、何故か八雲家にあるテレビを紫お姉ちゃんと藍お姉ちゃんが見ながら泣いていた。
「うう……ぐすっ」
「何見てるの?」
そう話しかけて座る。……と思ったら足元に穴が開き落下。そして紫お姉ちゃんの膝の上に座る形になった。
しっかり膝の上に収まると思いっきり抱きしめられた。苦しいです。
「太助ぇー。貴方は居なくならないわよねぇー? ぐすっ」
「え? え? どういう事?」
泣きながら抱きついてくる紫お姉ちゃんから助けを求める様に藍お姉ちゃんを見る。
……藍お姉ちゃんも涙目だ。
「ああ、このドラマと言うものを見ていたのだがな? その話に思わず泣かされてしまったのだよ」
「ドラマ?」
テレビに目を向けると病院の一室で亡くなった男の子の手を握り締めて泣き崩れている女の子のシーンから大人達に慰められているシーンに移り変わっている所だった。
「この子供達は姉弟でな。つい……弟の方を太助と重ねてしまってね」
そう言って藍お姉ちゃんも我慢しきれなくなったのか嗚咽する。
原因は判ったけど、太助ーって言いながら力いっぱい抱きしめてくる紫お姉ちゃん。気持ちは判ったけど痛いです。
もぞもぞと動くと、いやー何処にも行かないでーと余計悪化してしまった。藍お姉ちゃんも泣いてるし、四面楚歌だ。味方が居ない!
「大丈夫だよ! この前風邪ひいちゃったとは言え、腐っても妖怪と人間のハーフ。そう簡単には死なないし、勝手に居なくならないよ!」
そう言うと、本当?って言いながら離してくれた。
「本当だよ。僕だって二人と離れるなんて嫌だからね」
「約束よ? 勝手に居なくならないでね、太助」
「うん。あ、お茶飲むよね? 準備するよ」
「ぐすっ……、それは私が用意しよう。太助は座ってなさい」
そう言うと藍お姉ちゃんは立ち上がって台所に向かう。その背中にありがとうと声をかけた。
再びテレビに目を向けたら、エンディングを迎えていた。結局元凶のドラマは見ること無く終わってしまった。
どんな内容だったか聞いてみようかとも思ったが辞めた。だって、せっかく泣きやんだ紫お姉ちゃんが再燃してまた泣きついてきそうだったからだ。
「お姉ちゃんお姉ちゃんって後を追いかけていた弟もまぁ可愛かったけど、やっぱ本物の太助が一番可愛いわ」
そう言って赤い目になりながらも笑顔になった紫お姉ちゃんに頭を撫でられた。僕もいい年した男だから撫でられるのは少し恥ずかしいです。
「ふふふ。十七歳なんて、まだまだ子供よ?」
いや、そうかもしれないけど。恥ずかしいから! ……抵抗しても力で勝てるはずもなく、なされるがままの僕だった。
この作品は作者の妄想と願望で出来てます( ^ω^)
ちなみに、紫と藍しか出ないのではなくてたまたまこの二人のネタが続いてるだけです。
(´◉◞౪◟◉)