表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』  作者: 姜維信繁
肥前五強!non無双でもやるしかない。-横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に-
70/827

激突!佐世保湾海戦②

 平戸松浦水軍 旗艦 艦上 松浦隆信


「申し上げます! 南東の方角、南蛮船がこちらに向かっています。その数三!」


「南蛮船だと?」


 わしは遠眼鏡を出して覗き込む。たしかに南蛮の船だ。なんの用だ? この湾の港で貿易しているところなどないぞ。


 ん? なにやら白地に赤で陽の光のような柄、それからあれは……。


 沢森の家紋ではないか! なぜだ! なぜ南蛮船が沢森の家紋を掲げている!


 水軍でも旗印は掲げるが、あのような掲げ方はしない。南蛮の船は自国の旗を帆柱に掲げて、その国の物である事を示すが……。


 この事実が示す事はひとつ。沢森の小倅が南蛮船をつくり、所有している、という事だ。


 ……まあよい。たかが三隻こちらは八隻。それに、こちらにも砲がある事を教えてやろう。






「距離ヒトマル(十町・1,090メートル) 敵艦動かず」


「敵艦動かず横陣、単縦陣にて旗艦を中央に据えております」


 沢森水軍旗艦の見張員と測距員から報告があがっている。望遠鏡を応用して製作した測距儀を利用して、敵艦との距離がリアルタイムでわかるのだ。


 陣形は単縦陣、まっすぐ三隻の沢森艦隊が松浦水軍へ突っ込んでいく。


「距離ハチテンゴー(八町半・926.5メートル)」


「敵そのまま動かず」


「艦首砲用意、撃てー!」


 勝行は距離を測っているのだろうか? 相手を油断させるためだろうか? どちらにしても半分も届かない。


 敵である松浦水軍に向けた砲撃は、むなしく海面に吸い込まれていくだけである。そもそも艦首砲や艦尾砲は、接近してくる敵を迎撃するための旋回砲で、射程も短い。



 


「がははは、なんだあの豆鉄砲みたいなのは。あんな物が当たったとしても沈みはせぬわ! こちらの(フランキ/ハラカン)砲は最低でも三町(百八十間=327m)は飛ぶ。風がよければ四町はとぶであろう」


 隆信の言葉通り、松浦水軍はどっしりと構えて動かず、沢森海軍の三隻が近づくのを今か今かと待ち構えている。






 沢森海軍は追い風を受けてぐんぐんスピードを上げている。7ノット(12~3キロ/時)は出ている。


 沢森軍の戦闘準備はできていた。


「右砲戦用意!」


「ハチテンマル(八町・872m)、ナナテンゴー(七町半・817.5m)、ナナテンマル……」

(一町=約109m)


 松浦水軍からの砲撃がすごい。前方に水しぶきが次々にあがる。しかし、距離が足りないのか、当たらない。その飛沫めがけて進む。


 旗艦のマストの信号員は「我ニ続ケ」と後続艦に信号を送る。


「ロクテンゴー(六町半) ロクテンマル(六町)」


「取ーり舵あーじ! 取舵一杯! 戻ーせー。舵中央!」


 艦長と羅針盤を見ている航海長とのやり取りに、操舵員が復唱して舵を操る。


 この三隻の艦には、南蛮船のモノマネだけでなく、操舵輪から舵へ伝達できる新型の舵が備え付けられている。


「目標敵旗艦! 赤地に三ツ星の旗! 右砲戦用意、てえ!」


 三隻の艦砲が松浦水軍の旗艦に向けて発射された。


 ひゅううううん、どがん、がしゃん。ひゅううううん、どすん、どがん。次々に命中する。






「うわああ!」


 衝撃に耐えられず、隆信はよろけ、飛ばされるように右の壁にぶち当たった。


「ぎゃあ! !」


 なぜだ、なぜこちらの弾は当たらず奴らの弾は当たるのだ?






 折からの追い風、正確な測距のおかげであろう。


 若干大砲の性能が沢森側に分があったとしても、まさに、アウトレンジ戦法。右舷側を相手に向けて、一斉に砲撃したのである。


 ……あれ? (天の声)これどっかで聞いた事あるな? 「T字型戦法」? 「31ノットバーク」?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国 武将 転生 タイムスリップ 長崎 チート 無双 歴史 オタク
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ