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『転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』  作者: 姜維信繁
肥前五強!non無双でもやるしかない。-横瀬浦開港 敵が味方 味方が敵に-
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大村純忠、ドン・バルトロメオとなる。

 やばい。まじやばい。嘘やろ? 早すぎるって! 来年やろ?


「本日、大村民部大輔様はじめ、家臣数名がキリシタンになるべく受洗された由にございます」


 もー、なにやってるんですか純忠様! 早いですって!


 俺は急いで見張り台に駆け上り、日の丸の三角形の旗の下に、左が白、右が赤の「疑問」を表す信号旗をあげた。


 日の丸の三角形は「一」の意味で、寄り親である小佐々城宛を表している。応答可能の信号が来たので信号を送る。


「弾正様 キリシタン二 ナラレタルヤ」


 否。小佐々城からは青と黄色の格子柄の三角旗があがった。


「後ホド 伺イマス」


 と送って、「オワリ」の信号を振り、旗を降ろした。


「小平太、六太、準備しろ。小佐々城へ向かうぞ」


 ......。良かった。心底ほっとしている。この歴史が少しだけ違っているおかげで命拾いをしている。


 史実では一緒に洗礼を受けた一人なんだ。それもこれも、小佐々氏が大村氏の臣下ではなく、独立領主たり得ているからだ。


 中浦ジュリアンが生まれる前年には、家族でキリシタンに入信していた、という文献がある。少なくともあと五年後だ。しかし、歴史が一年早まっている以上油断はできなかった。


 馬車に揺られながら考える。一挙手一投足が運命を変える。前世ではここまで自分の行動に責任をもっていただろうか。改めてそう感じる。


 一刻より四半刻早く(約一時間半で)、城についた。


「平九郎政忠にございます」


「うむ。今日はいかがした」


「は、民部大輔様、キリシタンに入信との由、小佐々様のお考えをお聞きしたくまかりこしました」


「うむ、それで?」


「いか様にお考えでしょうか?」


「いか様も何も、そのまんまじゃよ」


「別にわしはキリシタンになるつもりは、ない。少なくとも今はな。せっかくお主のおかげで南蛮との商いも出来、我が領内の商人も喜んでおるし、南蛮の文化や技術、様々な物にふれる事ができておる」


「は、もったいなきお言葉にございます」


「そのような言葉づかいは無用じゃ。家族であろう」


「ありがとうございます。そのお言葉を聞けて安堵いたしました」


「そうかそうか。今、息子たちは調練場におる。会っていったらどうだ」


「はは、そういたします」


 俺はそう答えて、調練場へ向かった。






 ■沢森政種


 わしは隠れて聞いておったが、平九郎が出ていったのを確認して弾正様の前に出た。


「そちの息子は心配性だのう」


「は、時に大胆に、時に慎重に。どっちが本当の平九郎か、某にも分かりかねるときがございます」


「ふふ、まあどちらも必要よの」


「それで、本当のところは、どうお考えなのでしょうか?」


「さっき言った通りじゃよ。なるつもりはない。今わしがキリシタンになれば、領内に余計な混乱を生むだけじゃ。ありがたい事に、今は寺社とバテレンどもとの間にいさかいはない」


「そんな時、わしがキリシタンになってみろ? 仏教側はなにかにつけて、エコひいきだと言い出してくるだろう。バテレンやキリシタンは領主様のお許しがでた、とばかりに仏教徒を迫害したり、神社仏閣を取り壊しかねん」


「左様にございます」


「だから話した様に、基本的にキリシタンにはならぬ。ただ問題なのは……」


「民部大輔様にございますね」


「そうだ。今回もしつこく改宗を迫ってきおった。大村の領民にはしきりに改宗を勧めておるようだし、そうしない者には……。いや、止めておこう。今のところ確たる証拠はないのだ」


 口をつぐんだ。そう、確かな証拠はないのだ。

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