脅威の、驚異の、二万三千貫文。
堺から鉄砲鍛冶職人と、薩摩から造船職人を招致して、軍船、鉄砲、大砲の国産化を試みている。鉄砲は有馬より早く、そして有馬の追随を許さない様な品質と、生産量を築きあげよう。
その視察も含めて、今日は忠右衛門管轄下の技術街に来ている。面高郷全域だ。研究・生産区分ごとに分かれていて、産業部門と軍事部門に分かれている。そして産業部門は第一次産業、第二次産業と分かれている。軍事部門は兵器部門、造船部門、開発部門だ。
「忠右衛門、苦労をかける。」
「めっそうもありません。(あの鼻ったれだった)若様がご立派になられて、若様、いえ、殿の為、沢森のために御役に立てるなら本望にございます。」
ふふ、そう言ってくれると気が楽だよ。
「ありがとう。目立った問題もなく、順調にすすんでいるようだな。」
「はい、なにぶん大量の材料が必要になります。そこが課題ではありますが、技術的な問題は、少しずつですが解消されつつあります。まずは造船ですが・・・」
堺の鉄砲鍛冶橘屋又三郎と薩摩の船大工、樗木三郎右衛門を紹介しつつ、順に見て回る。
「現在小型の模型をつくっております。問題なければ、大工八百人、鍛冶六百人、雑役三千人の人手を使いて、おおよそ着工から二月ほどで作るのは可能になるかと。殿が手に入れてくださった絵図面が随分と役にたっておりまする。」
石宗衆をつくってから、平戸に密かに忍ばせていたのだ。
ポルトガル語で書かれているので、何がなんだかさっぱりだった。しかし船大工の長年の経験というのはすごい。ここにきて、同じではないが実物を間近に見て絵図面と照らし合わせたのだろう。
百二十文(大工)×八百人×六十日=五万七千六十貫
七十文(鍛冶)×六百人×六十日=二千五百二十貫
四十文(雑役)×三千人人×六十日=七千二百貫
「こちらは職人の賃金になりますので、多めに見積もっておりますが、もう少し値切る事もできます。」
「よい。決して値切るでないぞ。十分な賃金、十分な待遇で働けるからこそ、期待以上の生産性が得られるのだ。人の意欲というのもを馬鹿にしてはならぬ。」
「は、申し訳ありません。それでは木材ですが、流石に領内ではまかないきれず、もっとも近場で筑後の大川より買付ける事になるかと存じます。しめて四万九千二百貫ほど。銭で二千貫文程度になり申す。」
「次に大砲でございますが、現在鋳造と鍛鉄の両方で進めて折り申す。両者とも一長一短にて、価格では青銅、鋳造に分があり、性能では鍛鉄です。値段が鋳造は一門二百両、同じ規模で鍛鉄製は千両以上かかります。」
「ざっくりですが・・・しめて鋳造でフランキ砲の場合、二万四千貫前後となりましょう。」
そうか・・・、ん?なんて?に、まん、よ、んせん、かん・・・・て。?
やべ、頭痛くなってきた。ゲキゲキ激高やん。
とりあえず捕鯨を一組から三組に増やそう。合計三千人組いたんだからいいだろ。
それから、塩田を三倍にしよう。二十反分は採掘を始めた石炭で賄って、薪との利用割合は市場価格を安定させる点で変動させよう。
軍事費はんぱない(T_T)




