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後藤家嫡男の誕生と暗雲

「殿、至急お知らせしたき儀がございます。」


なんだ?いい話か悪い話か?


「武雄後藤家、嫡男誕生の由にございます。」


「なに?」

俺は声に出してしまったが、何かを心の中でぐっと押しつぶした。

それは感情を押し殺すとかではない。歴史通りに動いている核心を感じたからだ。


今のところ、沢森の地名の謎と横瀬浦、小佐々氏の寄り子が相当儲けいてる以外は、歴史に大きな変動は、ない。・・・これからか。


後藤惟明は松浦隆信の次男で、平戸が相神浦との間で優位に立つために、後藤氏に養子に送っている。確か一昨年、永禄三年(1560年)だ。


しかし歴史を知っている俺は考える。

来年、対龍造寺で戦があり、有馬・大村他連合軍が負けるのだ。


相神浦松浦は平戸に対抗するために、後ろ盾として有馬氏の息子を養子にしていた。しかし有馬氏の勢いが衰えると、援軍もなく平戸に対抗できなくなり、降伏してしまう。


これは神代勝利に頑張ってもらって、龍造寺を抑えるしかない。


それから、嫡男誕生で自分の身が危うくなる事、将来的には龍造寺の拡大とともに後藤氏が屈服、自らが追放される未来、そういう不安を煽って火の種を撒いておくのだ。家中がぐちゃぐちゃなら、横瀬浦を襲う暴挙にはでないだろう。


龍造寺が神代氏と対等の勢力のままなら、有馬連合軍の杵島郡侵攻も起こらないだろう。負ける事がなければ、相神浦に援軍を送る事もできる。


ただ、最悪、有馬が動けなくても、俺たちが加勢するけどね。


五島灘、角力灘の制覇の野心がある平戸を、これ以上南下させる訳にはいかない。おそらく飯盛城を攻めるのなら、陸海同時作戦でいくだろうから、もしそういう事態が発生しても我ら海軍が平戸の水軍を抑える。


母上の悲しむ顔を見たくはない。


俺は、親父と母上がイチャコラしているのを見るのが好きなのだ。


惟明は貴明に反旗を翻す。貴明は耐えられず、やむなく敵対していた龍造寺と和睦して助勢を乞う。これで結局惟明は負けて平戸に戻るのだが、後藤の龍造寺屈服が決定的になる。


「引き続き人をやって後藤家中を探らせよ。龍造寺が巨大化すれば居場所がなくなる。タダでさえ嫡男の誕生で立場が危ぶまれるのに、いっそう厳しくなる。そう焚きつけよ。必ず家中が割れる。」


「ははっ」

と言って千方は気配を消した。

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