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『転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』  作者: 姜維信繁
転生!そして長崎が横瀬に変わる!?-歴史改変仕方ない。やること多すぎです。-
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隆信、激昂 

永禄四年 四月 平戸城 松浦隆信


「なに!?」

すっくと立ち上がって

「それは誠か?九郎討ち死にとな?・・・勘解由もか??」


腰が抜けたかのようにどすんと座る。


あり得ぬ、あり得ぬ!あり得ぬぞ!


「また、敵方の沢森兵部小禄政種、鉄砲傷がもとで重症との事、一時は命をとりとめたものの、生死の境をさまよっている由にございます。」


忍びの言葉に


「それは重畳!重畳だが、しかし・・・・」

怒りが収まらない。


「安経、弔い合戦じゃ。その方もわしと同じで、その悲しみと怒りもいかばかりか。あたうか?」


「あたいまする。」


安経は目をつむり、感情を抑え、頭の中でしっかり整理した後、こう続けた。


「しかし、今はその時ではございませぬ。沢森の当主が危篤とは言え、沢森はそれすなわち、小佐々です。また、相神浦を押しているとは言え、完全に屈服させたわけではありませぬ。五島もしかり。東の波多もなにやら不穏な動きをしております。」


「こたびの戦、失うものはあっても、得るものはのうござった。軍船十二隻に兵三百。決して少ない数ではありませぬ。今また大軍を率いて南下し、小佐々と雌雄を決して勝利したとしても、その間隙をついて波多、有田、志佐、相神浦、大村、大挙して平戸に攻め込むは必定にございます。」


では、どうする?


安経に聞く。


「さればまず、動かぬ事にございまする。弟君九郎様と、筆頭家老であった勘解由の討ち死には、少なからず家中に不安を与えます。お屋形様にはどっしりと腰をすえて構えていただき、家中の不安を取り除きます。同時に周辺の有力国人の動きに目を光らせ、情報収集と調略でもって傘下にしていくのが上策と存じます。」


「あいわかった。よきにはからえ。口惜しいところではあるが、この雪辱をはらすのはまたの機会といたそう。」


は、と深々と一例した安経は、すっと立ち上がると静かに部屋を出ていった。


どすん!・・・・どすんどすん!


柱を叩く音が聞こえたような気がした。無理もない。幼少の頃から二人で余をささえ、平戸松浦家を大きくしてきたのだ。冷静でいられるはずがない。


この恨み、必ずはらす。

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