表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』  作者: 姜維信繁
転生!そして長崎が横瀬に変わる!?-歴史改変仕方ない。やること多すぎです。-
22/827

第20話 新型帆船?!牡蠣の浦の海戦②

 太田の港に降りていくと、人でごった返していた。


 叔父の利三郎政直と忠右衛門藤政がテキパキと指示をあたえている。

 

「よし、乗り込むぞ。平九郎は俺と一緒にこい」


「はい!」

 

 と元気よく返事をして親父のあとについていく。


 あ! 思わず息をのんだ。

 

「父上すごい! 縦帆です! しかも前と後ろに! ! うわ! これ木綿帆じゃないですか! !」


 親父はニヤニヤしているものの、驚きを隠せない。

 

「そうだろう、そうだろう。よく知っているな! 木綿も縦帆も、金も手間も相当かかったが、その価値はある。まず日ノ本ではうちと旦那んとこ(小佐々水軍)くらいだろうよ」


 この人本当にこの時代の人なの? 木綿はまだまだ高価だろうし、下の帆桁を外すのは戦国後期以降だぞ。縦帆にいたっては幕末まで進化する長い歴史のなかで、洋式帆船との和洋折衷で初めてでてくる。


 発想からして織田信長か?


(木綿、つくろう。大量生産しよう。うしししし、ボロ儲け?)

 

 和船ならぬ新型の帆船を見て起きた興奮が、戦の前の緊張や恐怖を和らげてくれているのだろうか。


「綿花も大量に栽培できればいいんですけどね。そうしたらもっと手軽に安く流通させられるのに」


「ん? つくっているぞ。なんだお前、まるで商人みたいだな。この前の新しい生業の話からそう思っていたんだが」


 なんて? つくってる?


「じゃがさすがに全部は無理だ、少しずつ改良を加えて生産量を増やしているが、ほとんどが買っておる。おっと縦帆は南蛮船を参考にしておるぞ。どれだけ速く、効率よく進むかが、水軍の大事だからな! これは誰も知るまい。今回初お披露目じゃ。わはははは」


 開いた口が塞がらない、とはこの事だろうか。


「口を塞げ口を。沢森の嫡男がみっともない」

 

 だが、決して怒っているわけではない。口元に笑みを浮かべている。


「時は動いている。応仁の大乱から100年。幕府の権威は地に落ち、日ノ本のどこにいっても、誰もが所領を広げて力をつけようと必死になっておる」


「我ら沢森や小佐々だけが、帆別銭(入港料)や警固料(水先案内・警護料)のみで家を守ってはいけんだろうよ」


「ま、もっとも小佐々の旦那は金山や馬の生産でがっぽり儲けているようだがな。お前もそう思うからこそ、この前みたいな話をしたのだろう?」


「はい」

 

 この人はなんでもお見通しなのか?


 この人に付いていけば、この人の言う通りの事をしていたら、俺は何もしなくても、この先しっかり生きていけるんじゃないか? そう感じずにはいられない、包み込むような温かいオーラを放っていた。


(かい)備え! 櫂用意! 前へ! ……左櫂上げー! 右櫂上げー! 櫂用意、前へ! !」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国 武将 転生 タイムスリップ 長崎 チート 無双 歴史 オタク
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ