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筑後川と高田弾正

同年 三月 小佐々城 小佐々純正


珍しい客がきた。しかし、歓迎すべき客だ。


「初めてお目にかかります。筑後国高田城主、高田弾正行正と申します。」

油の乗った、働き盛りの青年である。


「これはまた珍しい。筑後の国には、俺は知己などおらなかったはずだが。」


「されば、こたびはご挨拶で罷り越しました。」


「挨拶?」


「は、しからば新しい肥前の主様と昵懇に願いたく」


「なるほど、そういう事か。しかし隣の龍造寺はまだ健在だ。筑後は大友様の元、安心できるのではないかな?」


「そうでもありません。周防長門の毛利様の参戦で筑前の国人衆は勢いづいておりますれば。筑前程ではありませんが、筑後の衆も動揺はしております。絶対に飛び火しないとも限りません。」


「なるほどな。それで、ちと離れておるが、俺の庇護が必要だと?」


「左様にございます。」


「そうだな。いい話ではあるが、われらは大友様と戦っているわけではない。これからもできれば、戦いたくはないと思っておるのだ。大友様のお膝元である筑後川の権益を我らが取るとなると、放ってはおくまい。」


「今すぐに、ではございませぬ。こたびはつなぎ、ということで紹介したい人間がおりまする。」


「なるほど、つなぎとな?」

「はい、入れてよろしいでしょうか?」

「うむ。入れ。」


「お初にお目にかかります。石井信忠と申します。高田殿と同じく筑紫乃海衆にて、相応津・今津の湊を治めており申す。」

キリッとした青年で、目の奥に熱意を感じる。


「相応津・今津といえば、八田の湊と同じで龍造寺の支配下であったはずだが?」


「は、先の戦で親兄弟とも亡くし、宗家をつぎましてございます。これからは、非情なれども家を守るために、小佐々様の傘下に入る事をきめました。」


「なるほど。では、そなた、俺に恨みはないのか?そちらが起こした戦とは言え、俺と戦って死んだのだぞ?俺が殺したようなものだ。どうだ?」


「は・・・、それは・・・、まったく無いといえば嘘になり申す。されど、戦場で死ぬるは武門の誉れ。戦の勝敗は兵家の常にございます。謀略によって殺されたのならまだしも、戰場で死んだのなら恨みようもございません。」


「そうか。ならば許そう。」

「はは、ありがたき幸せにございまする。」


長年龍造寺の経済を支えてきた今津・相応津の湊を傘下に入れたのだ。


よし!棚からぼたもち!龍造寺の金づるゲットだ!

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