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不幸はいかが  作者: たらず様
12/14

滑稽裁判


満廷したる安座の程、傍観しますは極悪非道の犬畜生にも劣るーー鬼であります。願わくば、刑事法違反者の逝去を所望致すところ。

「裁判官殿、どうぞお納め下さい」

「足りん、死刑ッ」

「不当だぁ! もう一度やらせろ!!」

「法に背いた者の言葉とは思えんな。ハハッー、次の者」

人らしき何かは入廷する。

「裁判官様、こちらを……」

「ほう。三億と二千万か。して、他に申すことは?」

「はい。その、これでご尽力ほどお願い致します」

「つまらん、死刑」

「ちくしょうぉぉお」

「来世では面白くなァ。次の者」

新たな人外が入廷する。

「裁判官、あっしはあんたにねェ、七十八円ーー払いますよ」

裁判官は受け取ると、

「某の生命、廉価に相違ない。して、何か申す事は?」


「はい。まず申しておきたいのは、七嘴八舌の見解を愚かな人々から聴いたーーという事です。

その七嘴八舌が、あっしを七転八倒の絶望的境地におきました。

ですから報復に、その人達を惨殺しちまいました。しかし、その人達は無知ではなかったと見え、あっしに七難八苦の現状を残し、死んでいきました。

ですがあっしは、七転八起の心待ちで、無罪になる努力をーー惜しみません」


「文学的遊戯に見合う恩赦は免責なりーー無罪!」

罷免すべき裁判官は憲法第七十八条の恩寵により、見事その老衰の日まで職務を全うするのであった。


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