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世界の総意
君は世界の総意に背いた。
木陰は君を認識しなくなり、一つの常識を破壊する。二歩進めば、蜘蛛と歩幅が酷似し、繭となる。このとき、属託には雫を、否認には笹を。
担って四体になる時分に、放蕩者の思慮を咎める。すると、また一つの常識を破壊する羽目になる。
群衆は怒り、世人は憤慨する。君は寂寞となるが、蒙昧人を流暢に幇助していく。
いよいよ咫尺までも君をわすれてしまう。
けれど、厭世の鬼が君に、無窮を呉れる。
貴耳賤目者を救えば概念の先に。
刑単影隻児を救えば概念の外に。
ようこそ、人外境へ。