他人に話したら、恐れ慄かれ正気を疑われ距離を取られそうになった自分の小説の創作方法 ~私、だれにも憑りつかれていませんから!~
たびたび正気を疑われますが、本当にこの手順で書いています(;^ω^)
私の小説の書き方がかなり特殊だと言われました。
自分では変わっていると思っていなかったのですが……
というわけで、自分の創作手順をまとめてみました。
ちなみにこれ、人に話したら慄かれました。出来ればクレイジーな人間のたわ言と言わず最後まで読んで頂けると嬉しいです。
のっけからドン引かれた事を書きます。私の頭の中にはたくさんの人が住んでます。私が起きている時間は、常に誰かが喋っています。
ああっブラウザバックしないでください!幻聴とかでは無いんです。ちゃんと現実の声と区別がついています。
二次創作される方なら理解していただけると思うんですが、キャラ同士が脳内会話している感じです。
そんなわけで日常的に老若男女様々な人がそれぞれ会話したり、私がやることを解説や批評をいれたりしてます。
昔からなんで、ほっといてます。というか他の人も同じだと思っていました。思考を言語でするタイプは一定数いるが、脳内でボケとツッコミまでやっているのは少数派だと知ったときはびっくりしました。
小説の創作方法の話に戻します。
大まかにストーリーと展開、登場人物のプロフィールを決めると脳内の人たちに役を振ります。舞台の監督が役者達にお願いする感じです。
「すみません~。この役をお願いできますか?」
腰が低い監督です。上から目線でお願いすると、へそを曲げて引き受けてくれないんです。
役者の選定はビジュアルでなく声で決定します。声優方式です。
役者が決まったら、演じるシーンの概要とキーワードをスケッチブックの隅に書き5分のタイマーかけてスタート!
あとは役者のアドリブにおまかせします。喋る喋る。生みの親である私が話好きのためか、役者全員めちゃくちゃセリフが長い。
監督の私が何をするかというと、演じている役者たちの会話を必死に書き留めています。
「お前ら喋るの早いよ!会話するだけなら楽だろうけど、メモを取るのは大変なんだぞ!」
と内心で毒づいています。
5分タイマーのアラームが鳴ったら、とりあえず終了。はっきり言って疲れます。
作業が終わるとスケッチブックにはセリフの応酬や主役のモノローグが大量に残されます。
これをパソコンに入力します。入力時点でかなり文章表現を変えます。やはり喋り言葉と読んでわかりやすい文章は違いますから。
改行や句読点の挿入を適宜行い、並びを前後させたり、同じ言葉が続くようなら類語と差し替えたり、地の文を加えたり地味な作業が続きます。
「わたし、そんなセリフ言ってない!」
と脳内役者が苦情を入れてくるんで、お気に召すように書くのは結構大変です。
「だったら自分で書け!」
と役者にツッコミを返しながらキーボードを叩きます。
この工程を場面ごと繰り返します。
私がお願いしている役者たち、気分屋なので最初から通しで演じてはくれません。希望する場面から行います。メインのクライマックスやラストシーンから書くことも珍しくありません。
書き上げた文章を並び替えお話にし、矛盾点が無いように編集して完成です。
大まかのストーリー以外はアドリブで任せているので、たまに役者たちが勝手なことをします。
拙著 『耳で聴きたい失敗譚 開幕です!』は先輩役の初老男性の役者が大暴走しました。
活動報告にも書きましたが、小説講座を単発で受講してます。
第1稿では先輩の容姿は20代後半のキャリア女性でした。ただ外見の描写をしていませんでした。セリフの応酬でストーリーを創るので、映像の情報の補足をたびたび忘れてしまいます。
先生から該当箇所を指摘されました。
「先輩の外見の描写と過去に行った失敗のエピソードを数行足したら、もっと良くなると思いますよ」
この時点では、『耳で聴きたい失敗譚 開幕です!』のラストは主人公がブッダの事を回想するだけで終わってました。最後も先輩との会話でなくヒロイン単独のモノローグでした。
「せっかくだから変わった役者にお願いしようかな」
と大人しめの初老の男性にお願いしました。
最初は大人しい人だと思っていたんですよ!この役者さん!!
旅行会社の新人の失敗集をネットでググり、エピソードを修学旅行の食事の手配ミスにしました。
さて、主人公を慰めて貰おうかなと脳内の初老男性にお願いしたら、いきなり長文の手紙を書き始めたんですよ!頼んでないのに!!
「泣いている子どもを慰めるのは、年寄りの務め!!」
ヒロイン成人していますから!大卒ですから!就職してますから!!と言っても聞きゃしない。しかも、課長にまで説教し始めましたから。
「こんな子どもを叱りつける上司なんてとんでもない」
だれか私の脳内お爺ちゃんに、20代は子どもじゃないと教えてあげてください。課長は予定では悪人でした!パワハラで弱い立場の人間に当たり散らす!
お爺ちゃんにガチに説教されて、悪ガキが改心しちゃいました。
ただ脳内役者のアドリブで展開が変わった箇所は、どの作品も読んで貰った人から好評です。
『耳で聴きたい失敗譚 開幕です!』も改稿原稿を書き上げた当初は頭を抱えました。先生から数行と言われていたのに、1章増えたわけですから。
「すみません……失敗エピソード長くなっちゃいました……削ったほうがいいですよね……」
と恐る恐る先生に再提出すると大好評。
「このエピソードが作品の肝ですね!一度出来た原稿を練り直して、再構成するなんて素晴らしいです!」
また、知り合いに読んで貰った感想も手紙のエピソードが一番響いたと言われました。
私の内心。
(お爺ちゃん役者が暴走しただけなのに)
他の作品も自分が考えた最初の話より、役者たちが勝手に改変した箇所の方が褒められます。もう、あんたらだけで好きに書けよと泣きたくなります。
創作で大切なのは伝えたいテーマだと創作のノウハウ本で読みました。
すみません!ありません!!
役者たちが演じているのを書くだけです。作品を通してのメッセージは、役者たちが勝手に主張しています。
主張したいテーマもないのに何故小説を書くのかと問われるかもしれません。
私の脳内役者たち定期的に演じさせないとご機嫌が悪いんです。しかも、たびたび自分が主役を演じられるストーリーを提案して圧をかけてきます。
「こんな話はどう?」
って。うるさいです。
自分自身のメンタルのためです。
余談ですが、PVや思ったより伸びなかったり周囲からの評価が悪いと、お前の書き方のせいだと役者たちから責められます。
感想で褒められたりポイントを貰えると役者たち大喜びします。私もとても嬉しいです。こき使われた苦労が報われます。
今までの内容を、小説の書き方を聞いてきた知人たちに話したら皆さんドン引きします。そしてそれぞれ色んな考察をしてくれます。
「自分の深層心理を、小説を書くことで探っているんですね」
「えっ自動書記ってこと!?」
「前世の記憶とかじゃない?流行りの異世界転生の逆バージョン」
「もしかして、誰か乗り移っているんじゃないですか?……イタコみたいに……」
スピリチュアルの話は好きですが、ホラーは苦手なので現実生活では否定したいです。
これだけは主張させてください。
「全部、自分(の脳内のキャラ達)が考えたお話だよ~。誰にも憑りつかれていないよ~。ホラー本当に苦手だから、脅かすのやめてくれよ~」
きっと同じような方沢山いますよね!みなさん、キャラが勝手に動くって言いますものね!
誤字脱字報告ありがたいです。
同類の方ご連絡お待ちしています。
それでは次作でお会いできるのを楽しみにしています。