№9 財布はガッチリ!リゾ婚という名の出来るだけ節約婚式
都会の運転は苦手です。
七月のある日、2人は久留米の旅行会社の窓口へ行きブライダルプラン確認(高かった)し、ゼクシィのブライダルカウンターを訪れた。
ビルの前に佇むのは熟年カップル。
若いカップルが希望に満ちて店に入る中、ちょっぴり遠慮がちに我々は、そろりそろり忍び足で訪問した。
あまり記憶が定かではないのだが、ここでは予算やリゾ婚を希望している旨を伝えて、リゾ婚を取り扱っているワタベウェディングという会社を紹介してもらった。
んで、福岡へと行くことになった。
大都会のど真ん中に店はある。
都会への車の運転が、大嫌いで苦手な大助は、緊張しつつ車を走らせる。
街中に入ると、芽衣の世間話には耳を傾けず、カーナビと睨めっこしながら、目的地を目指した。
一つ車線を間違えると、それはもう命取りとなる。
冷や汗をかきながらも、なんとかワタベのブライダルカウンターへと辿り着いた。
おしゃれな空間で、飲み物が提供され、2人は喉を潤す。
しばし待った後、私たちはプランナーさんに呼ばれた。
リゾ婚のプランを映像で見せてくれる・・・まさに素敵。
だが、我々の求める低予算でのリゾ婚があるのか・・・あるっ!・・・とっておきのプランがそこにあった!
それは冬季限定沖縄リゾ婚プラン・・・いわゆるシーズンオフ割である。
予算は良し、場所は万座毛、ロケーションも言うことなしということで、12月の空いている日を早速、仮予約して抑えた。
細かい所まで、プランはあり、料理のコースはもちろん、ブーケやレイ、その日の式に来てくれた人たちへの贈り物、案内状、案内板やポップ、アルバムやDVD撮影など多岐に渡る。
プランナーさんと相談しながら、出来る範囲は節約でが合言葉の2人は、ブーケを参加する甥っ子姪っ子の分ぐらいまで減らし、贈り物、あんな状、案内板、ポップは自分達で用意することにした。
しかしアルバムの写真補正では、芽衣はしっかりハイグレード補正をお願いしていた。
そして後日、またこの場所で、ウェディングドレスの試着を行うこととなった。
帰りの道中、くたくたになりながら運転する大助。
窓際をぼんやり眺める芽衣。
「疲れた~」
開口一番、大助は言った。
「うん、疲れたね」
芽衣は頷く。
「これは、若いときにエネルギーと勢いでするのかなあ」
「私たち熟婚だもんね」
「まあ・・・でも悪くないね」
「うん、そうだね」
「まだまだ、いろいろあるよね」
「そうそう、まだまだ」
2人を乗せた車は夕闇のハイウェイを走り抜けていく。
結婚式が決まり、ウェディングドレスの衣装合わせ、大助はカメラ小僧となり、カメラとスマホで芽衣を激写する。その後、婚約のお祝いを大助はプレゼントする。
次回「大助、ブルガリの時計を買う」を見逃さないでね~。
なかなか当時は、大変だったけど楽しかったなあ。