№5 ハウステンボスにGOGO
いや~さすがに記憶が曖昧です。
初夏の晴れたある日、大助と芽衣は長崎県佐世保市へと車で向かう。
表向きの目的はハウステンボスデート、しかし実体は芽衣の「韓流スターでウハウハ、ライブ疑似体験」のようなものである。
昼前にハウステンボスに着くと、フリーパスを購入する。
貧乏性の2人は是が非でも元をとったるとやる気満々であった。
元々、テーマ―パーク(主に遊園地)大好きっ子、精神年齢は推定ティーン園児(笑)大助はこの日を手ぐすねひねって楽しみにしていた。
そんな訳で最初は、目的であるSM TOWN シアターへと行く。
ここは「東方〇起」「シャ〇ニー」等、SMエンターテインメント所属のアーティスト達の3D映像ライブシアターだそう。
アーティスト達が一曲ずつ歌う、30分くらいの迫力3D映像を見せられる。
「やっぱライブは生だね」
と通ぶる芽衣に対し、わーい、たのしいなあ、大助はとりあえずノッてみてみた。
それから、各、テーマごとに別れたエリアを満喫する。
「ワン〇ース」のクルーズだったり、宇宙やホーラーの3D体験シアター等を楽しむ。
片っ端に時間が許す限り、体験してみる。
遊びつつ思いのほか、絶叫マシン(映像はあるが)が少ないなあと大助は感じた。
夕方頃にクルーズ舟(園内周遊?)に乗り、ハウステンボスシンボルの塔にのぼってみる。
だまし絵の館(だったかな?)など、いろいろな施設も覗いてみる。
夜はプロジェクションマッピングを楽しみ、へとへとになりながら、ハウステンボスを後にした。
その日は近くの弓張の丘ホテルに泊まる。
翌日は小雨、雨の降る中、石岳展望台から白く霧がかる九十九島を見、昼は奮発してホテル・バイキングでお腹いっぱい食し帰宅した。
その日の夜、大助は疲れていたので早めに自分の部屋でゆっくりする。
すると、いろいろ思いや考えが巡りだす。
寝る前に父と母に兼ねてからの気がかり事項を聞いてみた。
「もしさあ、俺が家を出ていっても大丈夫?」
「よかよか、2人で住むとやろ」
「はじめは2人っきりがよかろうもん」
父と母が言った。
「まあね・・・ひょっとして、向うのマンションに住むことになったら?」
父はテレビの音量をリモコンで下げ、
「それは、お前が決めるこつやん。思うようにしたらよか・・・俺はお前がようやく結婚してくれるけんが、ほっとしとると」
と、笑った。
「そっか」
「そげんたい」
父と母は心配ないと言わんばかり笑ってくれる。
大助はちょっとだけ胸が締めつけられる思いがした。
ちょっぴり、マリッジブルーなのか大助・・・そうだろうね、親元でぬくぬく甘えまくっていた中年おじさんに現実の波がざぶんと押し寄せているのだから、だけど前を進む他ないのだ。
それが大助の選んだ道なのだ。
いけっ!大助!未来のおそらくきっと幸せの為にっ!
次回「ドキドキ、お義父さんとのファーストコンタクト。お嬢さんを僕にください!」で、どき、どき、どっきゅん。
次はBBQだよ~。