№4 げんやま公園の満開の桜を愛でる
いろいろありますよね~。
春のある日、デート帰り熊本県天水の山の中のそば屋さんで夕食をとった大助と芽衣は、まだ時間があるということで、ブラブラ車で山の中を散策していた。
車窓から彼女は発見する。
「なんか、公園あるみたいだよ」
「真っ暗だよ」
「夜景が見えるかもしれんし」
「わかった」
と、暗くて細い道をうねうねと登る。
先があんまり暗いので駐車場に停めて、大助は歩いて公園があるか探しにいく。
しばらく、上り坂を歩くが、真っ暗でよく見えないので、諦めて引き返すことにした。
「(公園)あった?」
「いや、暗くて分からん」
「そっか」
そう言うと、芽衣は車から出て、夜空を見あげた。
「わぁ、綺麗」
下界よりも少し高い山で満点の星が煌めている。
「ねっ」
「う、うん」
「・・・・・」
「・・・・・」
自然に2人はちゅーをする。
そんな事があり、次回のデートは謎の公園をつきとめることとなった。
昼間に出発し、カーナビと以前行った勘(ナビに詳しくのっていなかった)を頼りに、公園を突き止める。
げんやま展望公園は、断念した駐車場からもうしばらく上ったところにあった。
そこは有明海が一望できる絶景ポイントがあり、たくさんの桜の樹が植えられ開花を待ち遠しそうに蕾をつけている。
「桜咲くと綺麗だろうね~」
「うん、そうだ!桜が咲いたら花見にこない」
芽衣の言葉に大助は頷いた。
数週間後、近くの「お弁当のヒライ」で、弁当と三色だんごを買った二人は、げんやま公園へと向かう。
公園内は意外と人が多かったので、少し離れた桜満開の場所で弁当を食べた。
「そろそろ、そっちのお義父さんに会わないとね」
「うん、そうね」
弁当を口に運びながら今後のことを話す2人。
「結婚はいつ頃がいい?」
「お互い年だからね、早い方がいいよ」
「今年中か」
「そうだね」
「式だけど・・・」
「式ねぇ、してもいいいけど・・・そうだリゾ婚なんてどう?」
大助は効き慣れない言葉を耳にした。
「リゾ婚?」
「リゾート結婚、遠い所で式をあげるの」
「みんなは?」
「家族を呼べばいいんじゃない」
「うーん」
芽衣が名案を思い浮かんだように目を輝かせて喋るのを、大助は渋い顔で聞いていた。
「俺は地元で結婚して、いっぱいお祝いされたいな」
「私はそれいい」
芽衣は嫌がった。
「まぁ、これはおいおいとして」
大助はまだ説得できる機会(ご祝儀がっぽり計画を諦めていない)があると踏んで話題を変える。
芽衣から話しはじめる。
「住むところね・・・二人暮らしがいいでしょうけど、うちお父さん何も出来ないし、うちマンションも買っちゃったから」
「俺は、はじめの内は二人暮らししたいな・・・それから場合によっては実家で暮らしても」
「う~ん、いいけど。お義父さんが心配・・・それに2人暮らししてアパート借りるにしても二重払いって大変だし」
「・・・そうだね・・・団子食べる?」
「うん」
2人は意外と重い迫る現実問題に黙々と三色団子を食べる。
風に吹かれて、桜吹雪が舞った。
「私たちもいい年だから、これからのこともあるしね」
「病気や老後・・・いろんなことがあるだろしね」
「そうそう」
「熟年結婚は大変だ」
「そうそう」
大助と芽衣は見つめ合うと苦笑した。
それから、しばらくじっと桜を見つめた。
クリアすべき問題は山積みであった。
2人はそれを確認する。
「ま、なんとかなるか」
「そうね」
大助は桜の木の隙間から太陽が見え目を細める。
ふいに風が吹くと2人の目の前を踊るように桜の花びらが舞った。
「さ」
大助は手を伸ばす。
「うん」
芽衣はその手を握る。
「ぼちぼちと行きますか」
「うん」
大助と芽衣は前へ歩きだす。
みなさん読んでくれてありがとうございます!これにてエピソード0.8は・・・ってまだまだ続きます~ええ感じに書いちゃったので、これで終わってもいいかとなんちって。
さあて次回の旦那ちゃんと嫁ちゃんは、大助です、芽衣ちゃんが韓流スターに会いたいと言いだして「ハウステンボスにGOGO」しました。ここにライブシアターみたいなのがあるんですって・・・イケパラ(イケメン・パラダイス)って・・・芽衣ちゃん、ここにイケメンいるでしょうが(笑)、えっ違う・・・そ、そんな(笑)、では、またお楽しみに~。
桜見て思ふ。