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№11 久留米で結婚指輪を。大助マスオさん?になるの

 結婚指輪ってなると、いよいよですよね~。


 結婚式の準備も着々と進む中、2人はぼちぼちと結婚指輪を物色していた。

 福岡のお店も少し見て回ったがお値段やデザインにぐっと来るものがなく、今日は近場である久留米へと足をのばし、指輪を探す。

 駅前の専門店には、品ぞろえがよく、かつお値段も希望にそったものがあり、2人はめいめい好きなデザインの指輪を選んだ。

 大助はシンプルなシルバーリング。

 芽衣はゴールドの淵にシルバーが施された割と幅が大きいリング。

 早速、購入し二つのリングの裏には西暦と互いの一文字イニシャル彫ってもらった。

 

・・・指輪合わせろって・・・それは凸凹コンビたる所以である。


 それから2人は好み焼き屋で昼食をとった。

 指輪の話で盛り上がり、和やかに会話を楽しんでいると、急に芽衣の様子がおかしくなった。

「大くんさあ・・・」

 芽衣が何かを言いたそうにしていて、迷っている様子だった。

「ん、何?」

 大助はなんとなく言わんとすべきことが分かったので、箸を止め話の先を促す。

「うん、私達の住むところなんだけど・・・」

「俺の気持ちとしては、最初はアパートを借りて2人で住みたいと思っているけど」

「うん、私もそれが一番と思う・・・けどね、お父さんが」

「心配?」

「うん、お父さん、お母さんが亡くなるまで、ずっと頼りっきりで、家事は何もしてこなかったの・・・それこそ一人にしたら、どうなっちゃうんだろうかって」

「そっか」

「うん、それにお母さんが、具合が悪くなって購入したマンションの支払いもあるし、アパート借りると二重払いになるでしょう」

「うん」

「大くん・・・マンションに一緒に住めない」

「・・・マスオさん・・・かあ」

「本当に嫌なら無理しなくてもいいけど」

「いや・・・うん・・・ね」

 大助はかねてから芽衣の事情は聞かされていて、それとなくこうしたいんだろうなあ、こうすべきなのかという思いは感じていた。

 が、直に言われると、やはり戸惑いは隠せない。

 仮にも大助は一応長男という自負はある。

「・・・・・・」

「それが一番いい方法なのかあ~」

「私もいろいろ考えたんだけど」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 2人はしばし考え込む。

「うん、俺しっかり考えてみるわ」

「ごめんね、無理言って」

「いや、結婚する為には避けて通れない話だから」

「うん」

「芽衣ちゃんが気持ち、はっきり言ってくれて、良かったよ」

 その日は、もうこの会話をすることはなかった。


 自宅のベットで天井を見上げる大助。

「結婚かあ」

 思わず、一人呟いた。




 結婚という重圧がのしかかる大助と芽衣、避けては通れない問題をひとつずつ、ひとつずつ乗り越えたり、迂回したり、立ち止まったり、それでも前へ進んでいく。

 次回、最終回「結婚へ」で、うまく、完結したい(笑)。


 次回、完結できるか(笑)。

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