プロローグ
新作です。
誤字脱字があった際には遠慮なく言ってください。
初日から一週間に、一日二回投稿します。
これからよろしくお願いいたします。
森の外に数多くの足音が地面の木の葉を踏み荒らして、近づいて来るのが聞こえる。
「もう確かめた! デメテルが森に隠れている!」
「わかった! 皆の者! 突撃!」
色違った体毛に覆われた獣人たちは色んな武器を持ち、先頭部隊として森に突進した。後ろに杖と弓を持つ長い耳をしているエルフたちは彼らの足跡に従い、森に侵入した。
一方、色とりどりの羽に覆われた有翼族。頭の上にキラキラしているリングを付けて、背中に真っ白の翼が生えている天使族。そして、コウモリのような真っ暗の翼が生えて、爪が長い悪魔族たちが空を旋回している。命令を聞いたとたん、様々な武器を持って、天地を覆うように森に急降下した。
微かに風もないのに、茂った木の葉が「サッサッ」の音が響いている。葉は生きるように、枝から離れ、森に侵入した者たちへ飛ばした。
まるでナイフのように鋭利である葉が、空を切り裂き侵入者たちへと到達し、切り刻んだ。
侵入者が次々と色とりどりの光り輝く粒子となって消えていた。
あっという間に、三人しか残っていなかった。
「出てきなさい! 臆病者!!」
澄んだ少女の声が静かな森に木霊していた。
「100人であたし一人をいじめ何て! どっちが臆病者なのよ!」
無数な緑色の茨が地面から生長して、三人は反応さえもせずに縛られていた。
澄み切った青空からの光は浮かぶタンポポの種をキラキラと光らせている。
種は木の枝に落ち、青々した光を溢れさす葉と藤で作った服とスカートを着る少女に変わった。
少女は背中に生えている紅葉のような翼を振り、まるで妖精のように空に舞えている。
「いっけええ!!」
少女の命令と共に、三人の真下から、三本の竹が急激に地面から生長した。鋭い竹はまるで槍のように、三人を串になった。
もちろん、彼らは光り輝く粒子となって、消えていた。
そもそも、VRMMOの中には、そのような暴力的なものはNGだろう?
「第50回イベント! ランキング一位! 植物族のデメテル!!」
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2032年に発売された【Species World Online】———通称【SWO】。
発売元のシンフォニア社が開発した最先端の技術を集結したVRMMORPGであった。世界観は、中世を基盤とした剣と魔法のファンタジーの仮想世界であった。
従来のVRMMORPGとは違った。プレイヤーたちは人間、エルフ、獣人、天使族、悪魔族、そして植物族など百種を超える種族から選ぶことができる。
そして、各種族にも50種以上のスキルから自由に組み合わせ、装備できるため。自由度は高いという特徴で、発売から利用者数が一気に増えていた。サービス開始から五年間、利用者は既に10億人を超えた。
これは、かつて【SWO】の頂点を極めた植物王女・デメテルの異世界冒険の物語である。
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