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メインストリートとウエストストリート

ジルフとエインはメインストリートに出た。

「お前も通ったと思うがここがメインストリートだ。ここには外から運ばれてくる食べ物だったり衣服だったりが、売られてるんだ。食べ歩きとかもできるから観光に来る奴らがわんさかいるんだ。」

ジルフが言う通り、メインストリートにはイーストストリートよりも多くの人がいた。

食べ物片手にいろいろな店を見ていく男女。

ああでもないこうでもないと服を見ながら難しい顔をしている女性など活気があふれている。

「雰囲気がガラッと変わりますね。」

「まあな、イーストストリートは冒険者の街と言ってもいいくらいだからな、夜になればここと同じくらい賑やかになる。」

「そうなんですね。賑やかな雰囲気に囲まれると羽目を外さないようにしないといけないですね。」

「それは嫌味かぁ?あん時はアレンたちが俺にワザと強い酒を飲ませてきたんだ。それからの記憶が全くねぇから相当飲んだのは確かなんだろうけどよ。」

とんだ災難だったといいながらジルフはメインストリートを横断していく。

その際、観光客と思われる人と何回もすれ違った。

「ここが『ウエストストリート』だ。」

「また雰囲気がガラッと変わりましたね。ここは鍛冶師がいるんですか?」

ウエストストリートに近づくにつれ、何かを打つような音が聞こえてきていたのだ。

「お前、鍛冶師は知ってるのに何で『ギルド本部』は知らねえんだよ……」

ジルフは自分の常識が通じないエインに呆れていた。

「ここは冒険者の命綱ともいうべき防具だったり武器だったりを専門的に売っている店がほとんどだ。防具生産を一手に引き受ける『アマドウ商会』と武器生産を一手に引き受ける『ウェポ商会』って言う二大商会がここを牛耳っていると言っても過言ではないな。」

エインとジルフは武器や防具を売っているであろう店の前をっと追っていく。

「基本的にここに出店してる店は二大商会に加盟してる店だ。質もいいし、価格もリーズナブルだから、冒険者になりたての奴らは重宝してるんだ。」

目につく店のほとんどに商会のものと思われるマークが掲げられていた。

「ジルフさんは二大商会加盟店で武器や防具を買はないんですか?」

「いいや、買う時もあるが、俺らは個人の店のものを買ってるぜ。多少値は張るがいい物を作れる奴を見つけたんだ。今そいつのところに向かってるところだ。」

「加盟してない店ってあるんですね。見る限り全部の店が二大商会のいずれかに加盟してるように見えるんですけど……」

「この通りの表に出てるのは全部加盟店だ。非加盟店が表に出てくるとすぐ土地を買収して自分たちの物にしちまうんだってよ。」

ひどい話ではあるが、商売は戦争のようなものなので仕方がない。

歩き続けると、一際大きな店が二店見えてきた。

「店というよりは大きな館ですね。」

「まぁ館って言っても間違いじゃないとは思うけどな。右がアマドウ商会の本部で左がウェポ商会の本部だ。」

館にはそれぞれ通りで見た旗より二回り以上ある旗が垂れ下がっていた。

ジルフは連立する館に近づいていく二つの館の間に入っていく。

そこは人一人がギリギリ通れる程度の幅しかなかった。

左右を塞がれているため通路は昼間なのにとても暗かった。

「こんな暗いとこに連れ込んで何をしようというんですか?」

「どうもしないっての!この前見つけた鍛冶師のところに向かってるんだよ。」

ジルフをからかいながら狭い通路を進んでいくとそこを抜けたところにちょっとした空間が広がっていた。そこには『鍛冶工房』という看板が掲げられた店が一軒だけ建っていた。

終焉の先の物語~The demise story~を読んでいただきありがとうございます。ブックマークしていただけるとありがたいです。

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