表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/121

王国到着

その後は何事もなく進み、現在は王国に入国するための審査の列に馬車は並んでいた。

王国に来る人の目的は様々でエインたちのように魔導学園へ入学する者、商品を売るために遠路はるばる王国に来たものなど様々である。

そしてそのような人の中には良からぬ事を考えて、王国に入ろうとする輩がいるためそのような輩を王国に入れないために厳重な審査が行われているのである。

「いくら王国のためとは言え、こんだけ待たされると退屈だな。」

リュウガは伸びをしながら愚痴る。

実際、エインたちが王国についてから既に一時間以上経過している。

御者も待ち時間が長いことにイライラしていた。


それからさらに一時間たってやっとエインたちの番が回ってきた。

門の前には鎧で身を包んだ門番が二人並んでいた。

「商人の方ですね。通行許可証と交易許可証を提示してください。」

「どうぞ。」

御者は門番に言われたものを提示する。

「よし、通っていいぞ。」

通行の許可が下りたので馬車が動き出す。

馬車から降りていた二人は門番に通行許可証の提示を求められた。

「これでいいですか?」

リュウガは板のようなものを取り出して門番に見せる。

「あぁ、君は極東出身なのですね。この門を出てすぐ右に曲がったところに出国手続きのための窓口があるから、そこで大陸用の許可証に交換してもらってください。」

通行許可が下りたリュウガは「先に行ってるぞ。」といって門をくぐっていった。

「お前、通行許可証を早く出さんか‼後ろが詰まっているだろう。」

「通行許可証を出そうにもそれがないから出せないのです。この王国にある魔導学園への入学の招待状なら持っているんですが……」

通行許可証の代わりに招待状を見せるが、怪しいものを見るような目を向けられる。

「本当にそれは本物なのだろうな?過去に学園入学の招待状を偽造してこの国に入ろうとしたものがいたのだ。それ以降招待状での通行許可は下ろさないこととなっている。それを知っていてそれを見せたのだろうな?」

エインは門番が言っていることを当然知らないわけで通行許可証がないから仕方なく招待状を出しただけなのである。

リュウガを対応していた門番も近づいてくる。

話し方からこちらの門番は優しい方だと推測したエインは「これは本物です。調べればわかります。」と自分の招待状を見せる。

「君、名前は何というのかな?」

「エイン・クロイルです。今年、魔導学園に入学することになりました。」

「エイン、エイン…………ああ!」

優しそうな門番は何かを思い出したように横にある扉に入っていく。

少しすると少し歳のいった男性と共に戻ってきた。

「ワイドさん、以前おっしゃっていた新しく学園に入学する「エイン君」とはこの子のことでしょうか?」

「確かに学園長に見せてもらった似顔絵と全く一緒だね。ようこそエルドリア王国へ。君のことは学園長から聞いていたよ。『世間知らずの面白い子が来るから、来たら通してあげてね。』って」

「はぁ、ということは通してくれるんですよね?」

「まぁ通しはするけどまずは通行許可証を作らないといけないよ。」

ワイドという男に引き連れられ、横の扉に入っていく。

扉を入ると数人が書類を書いたりしており、忙しそうにしていた。

「こういう所は初めてかい?」

「そうですね。」

「まぁここを通るのは君みたいに通行許可証を発行する人か無理やり不法入国しようとした人くらいだけどね。」

ワイドは沢山ある机のうちの一つの前で止まり、一枚の紙をとる。

「これが君の通行許可証だ。」

「準備がいいんですね。こういうのって名前聞いたり、出身地聞いたりするんじゃないんですか?」

「本当はそういう工程が必要なんだけど事前に学園長から君のことを知らされていたから先に作っておいたんだよ。それは無くさないでね。再発行はできるけど手続きが面倒くさいからね。」

「わかりました。ありがとうございます。」

エインは通行許可証を貰うとワイドに再度お礼を言ってから出口から出る。

「エインは通行許可証を持っていなかったのか。」

部屋を出てすぐ外にリュウガがいた。

エインがワイドに連れていかれるところを窓口から見ていたリュウガは出口の近くで待っていたのだ。

「それで貰えたのか?許可証?」

「貰えたよ。」

先ほど貰った許可証をリュウガに見せる。

「良かったな。それでエインはこれからどうするんだ?俺は知り合いのところに顔を出しに行くつもりなんだけど……」

「とりあえず泊まれるところを探そうと思う。ここには知り合いも何もいないからね。」

「そうか、じゃあ次に会うとすれば入学してからになりそうだな。」

「そうなりそうだね。それじゃあまたね。」

「あぁまたな。」

互いに再会の約束をして別れていく。

「それじゃあ行きますか。」

エインは新たに始まり生活に少し心を躍らせるのだった。

終焉の先の物語~The demise story~を読んでいただきありがとうございます。ブックマークしていただけるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ