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賊との戦い その2

~南の森~

エインは賊に囲まれていた。

それはエインにとってこの状況は危機的状況というわけではない。

あえて大剣を振り回して目立つ行動をしたエインは賊の注意をすべて自分に向けさせ一網打尽にする算段だった。

「もうおしまいだぜガキ。こんだけの人数一人で相手できるわけねぇ。」

「謝るなら今だぜくそガキ。そうすれば命だけは助けてやるよ。」

賊が言い放ったセリフをエインはゴルドーから「幼稚な脅し文句」として聞いており、本当に言われるとは思っていなかったため笑いそうになってしまう。

「何笑っているんだてめぇ‼︎」

「殺されてぇようだな。」

エインに向かって一斉に賊が襲い掛かる。

エインは手に持つ大剣を地面に突き刺すとエインは正面から迫る剣を持った賊目掛け、右手を向ける。

「『インパクト』」

エインの手から無色透明な魔力の球が放たれる。

正面の賊は剣を盾代わりにしてインパクトを防ごうとする。

インパクトが賊の剣に当たると、剣を貫き賊を吹き飛ばす。

賊が吹き飛んだことにより誰もいなくなった正面から脱出すると近くにいた賊3人をまとめて蹴り飛ばす。

「なんださっきの?魔法か?」

「くそが、魔法が使えたのか……」

賊たちは剣を貫き、仲間を吹き飛ばした攻撃に驚く。

エインの歳で剣を砕くようなレベルの魔法を使える者はほとんどいないと言っていい。

魔法の才能に目覚め、親に魔法の使い方を教わった王国の貴族の子供ですら木の的を壊せる程度の威力しか出せないというのが常識なのである。

しかしその常識をはるかに上回る威力のインパクトを放ったエインを前に賊たちは一瞬たじろぐ。

「『インパクト』」

再びエインが近くの賊に魔法を放つ。

さすがに二発目となれば避けられられるが、それを見越していたエインはインパクトを放ったのとは逆の手で、すかさずインパクトを発動させる。

二発目を避けることができずに吹き飛ばされる。そのうしろにいた賊二人もまとめて吹き飛ばされる。

「死ねぇー‼︎くそガキ。」

反対側にいた賊が槌で襲い掛かる。

「『シールド』」

「馬鹿が!そんなもんで防げるわけないだろう。」

賊は勢いよく槌でシールド諸共エインを叩き潰そうとする。

しかし槌はエインに届くことなく空中で弾かれる。

「なっ!!?」

槌を跳ね返された賊は体勢を崩し、そのままエインに殴り飛ばされる。

「槌を弾いただと?無属性魔法の『シールド』なんかが!?あれは石ころがぶつかっただけでも砕けるってのに……」

それは極端だろうとエインは思う。

がしかし一般の考えは『シールド』を使うと賊の言ったようになるとされている。

エインはゴルドーたちと暮らしていたため、その事実を知らない。

後にリュウガにこの事を話し、「そんな『シールド』知らない。」と言われるまでは。


エインは『シールド』と『インパクト』を駆使して賊を倒しきる。

馬車に戻ったエインは先に戻っていたリュウガから賊を捕らえるように言われたので紐をもって賊が倒れているところへ戻っていった。

エインの捕らえた賊もリュウガが逃げれないようにする。

「なかなか厳しいことをするな。足の腱を斬るとは……」

「これでも優しい方だと思うけどね。こっちでは賊を捕らえると賞金が貰えるらしいから生け捕りにしているって訳だ。」

「そうだったのか、初めて知った。」

「俺も初めて襲われたときにほとんど殺して、御者に殺さなければ賞金が貰えるって言われたからな。でも大陸育ちのエインが知らないのは意外だったな。」

「昨日も話したけど、ほとんど山にこもっていたからね。」

「そう言えばそうだったな。」

「そろそろ出発するぞ、乗れ。」

御者に促されてエインとリュウガは馬車の後ろに乗る。


終焉の先の物語~The demise story~を読んでいただきありがとうございます。ブックマークしていただくとありがたいです。


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