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親善試合

エインは着替え終えると部屋を出て再び学園長の前に出る。

「似合っていますよ。」

「素直にその言葉を受け取っておくよ。」

「用件は済んだのであなたは戻ってください。もう少しで入学式が始まりますのでこちらも準備があります。」

メイが出ていくように促す。

「わかりました。忙しいときに手間を取らせてしまいましたね。それでは失礼します。」

そのままエインは扉を開けて出ていく。

「失礼しました。」

出ていくエインを見ながらメイは話しだす。

「学園長、あの生徒は上の者に対する態度がなっていないんじゃないですか?」

「大丈夫だよ。エインはああ見えても目上の人には礼儀正しいんだ。」

「本当ですか?私にはそのように思えませんでしたが…………」

「私の前だけだから安心していいよ。みんなの前では礼儀正しくしてくれるはずだよ…………多分…………」

「はぁ。それならいいんですけど。そろそろ時間ですから向かいましょう。」

「そうだね。行こうか。」

学園長とメイは服装を正すと部屋を出ていった。


エインは学園長の部屋を出た後どこに行けばいいかわからず、たまたま窓から多くの生徒が集まっているところを見つけたのでそこに向かった。

エインが窓から見たところに着くと、そこには入学式会場と書かれた看板が置かれていた。

(向こうの方に座席表があるらしいから見に行くといいよ。)

フォルトゥに促され、エインは自分の座席を確認すると中に入って自分の椅子に座った。

しばらくして全員集まり、入学式の会場である第一闘技場に先生と思われる人が入ってきた。

「静粛にお願いします。只今より第67回魔導学園入学式を挙行いたします。初めに学園長アルドル・エールスより新入生の皆さんへお祝いのお言葉があります。」

壇上にアルドルが立つ。

「新入生の皆さん入学おめでとうございます。私は学園長のアルドル・エールスです。この学園は魔法の才を持つものが一堂に会する場所です。どんなことにも負けず、友人と切磋琢磨し、自分を磨き上げましょう。ただし、ほかの人と比べて自分は劣っていると思い、魔法を諦めてはいけません。魔法以外のこともここでは教えてくれる先生方が沢山います。悩んでいることがあったら迷わず先生に相談して下さい。私に相談しに来るのも構いません。これから始まる学園生活をおおいに楽しみましょう。以上で祝いの言葉とさせていただきます。」

アルドルは壇上から降りるとそのまま第一闘技場をあとにした。

(いつもの爺さんとは思えない口ぶりだったな。)

フォルトゥが小屋にいるときのアルドルの喋り方と比較する。

(さっきも聞いたが違和感しかないな。)

(これが仕事モードの爺さんってことか。)

(そうだな。これから仕事モードの時の爺さんと会うときは態度に気を付けないといけない。)

その後は各教科の担当の先生やクラス担当の先生の紹介などが続いた。

「それではこれより入学式恒例の在学生と新入生による親善試合を執り行います。新入生は観客席の方に移動してください。」

移動の際に在学生と思われる人たちも観客席に入っていくが見えた。

「それでは第一試合エウト君お願いします。」

この親善試合は対戦相手を試合直前に指名する形で行われるらしく、エウトと呼ばれた生徒も新入生の方を見て誰にしようか考えていた。


親善試合は順調に進み、とうとう最終戦を残すのみとなった。

試合の成績は在学生の全勝という当然の結果となった。

一方的にやられるだけではなかったものの在学生は圧倒的に強かった。

「それでは最後になります。この学園最強、『光帝』の二つ名を持つレオン・スライク君です。」

派手な演出と共に『光帝』が入場してくる。

今までと同様、対戦相手を新入生の中から探していく。

『光帝』に興味のあるエインはレオンの行動を見ていると彼と目がばったり合ってしまう。

「そこの席の生徒にするよ。」

レオンが指名したのはエインだった。

「それでは指名された生徒は下りてきてください。」

エインは指示通り下りていく。

レオンが入場した入口とは逆の入り口まできたエインは先生に戦いにおける注意事項を聞かされ、荷物検査が行われた。

持ち物検査が終わり、入場するように言われる。

「いきなり指名して悪かったね。緊張していると思うけど、お互いベストが尽くせるよう頑張ろう。」

見た目通りの爽やかな物言いで相手の緊張をほぐそうとしている。

「お気遣い感謝します。」

エインは丁寧に返す。

「その様子だと、緊張はしてないようだね。それじゃあ始めようか。」

互いに距離を取り、『光帝』は戦闘態勢に入る。

「それではレディー…………ファイト‼」

戦いの火蓋が切って落とされた。

『光帝』は『ブースト』を自身にかけるとエインに向かっていく。

エインも『ブースト』をかけると駆け出す。

『ブースト』がかかった拳同士がぶつかり合う。

観戦していた全員が『光帝』の実力を知っている。故に、正面からぶつかりに行ったエインが負けると思っていた。

しかし、試合が終わることなく続いていた。

互いに『ブースト』以外の魔法は使わずひたすら拳と拳を交えた。

時折、エインは脚撃を繰り出すも、『光帝』はしっかりと防御する。

誰も予想しなかった試合展開に会場にいる誰もが試合にくぎ付けになった。

「君、戦いなれてるね。どこで習ったんだい?」

「戦いの中で話とは余裕ですね。」

「そうでもないよ。君のことをちょっと侮ってたみたいだ。」

これ以上の会話は不要とばかりにエインが攻撃のスピードを上げる。

いきなりの猛攻にレオンは攻撃の手が緩んだ。

攻撃の手が緩んだ隙にエインは懐から球を取り出して…………

終焉の先の物語~The demise story~を読んでいただきありがとうございます。ブックマークしていただけるとありがたいです。

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