表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/121

学園入学

「そういえば、エインは学園の寮に入るのか?」

「寮なんてあるんですか?」

案内を一通り終わったらジルフはこれからのことについて聞いてきた。

「その様子だと泊まるところもないって感じだな。いい宿屋を知ってるんだが、教えてほしいか?」

「お願いします。」

ジルフに頼りきりになっていることに申し訳なく思いつつ言葉に甘える。

メインストリートを進みイーストストリートに入るとギルド本部の前を通過していく。

「ここは通ったことがある気が……」

「いいからついてこい。」

そのままついていくと見覚えのある店の前に着いた。

「ここは……」

「着いたぜ、ここが俺のおすすめの店だ。」

宿屋……というよりは酒場であるその店はエインとジルフが出合った酒場だった。

「ここ酒場ですよね……」

「ここは酒場兼ミレさんの家でもあるんだ。前に酒を飲みすぎてぶっ倒れたときに空き部屋で休ませてもらったことがあってな。そん時に、多分部屋が余ってたって言ってたはずなんだよ。」

そう言いながらドアを開けて中に入って行く。

「ミレさーん部屋貸してくれ。」

ジルフは店に入るや否やすぐにそんなことを言った。

「帰って来て早々なんだ?お前に貸し出すような部屋は残って無いよ。」

ジルフの頼みを秒で断るミレーネさん。

「だってよエイン。残念だったな。仕方ないほかをあたろう。」

「ちょっと待ちな、お前に貸す部屋はないが普通に部屋は残っているよ。そう言えば、エイン君は寮には入らないんだね。」

「こいつ寮のことすら知らなかったんですよ。だから宿屋探しを手伝っていたんだ。」

手伝うといっても初めに来たのがここなのである。

「エイン君はどうする?ここに泊まるかい?それともほかの宿屋を探すかい?」

「そこまで言われちゃうとほかの宿に行く方が罰当たりな気がするかのでここにします。」

「そうかい、そうかい。じゃあ部屋案内するからついておいで。アルアー、ちょっと店番頼むよ。ジルフは適当にしといて。」

「わかった~」

店の奥の厨房からかわいらしい声が聞こえてきた。

ぱたぱたとやってきたのはミレさんと同じ朱色の髪をしており、くりくりの目をしたかわいらしい女の子だった。

「初めまして。私、アルアって言います。」

ぺこりとお辞儀してきた女の子、アルアはミレーネからお盆を受け取るとすぐにお客さんのところ向かって行った。

「俺は放置かよおい‼」

ジルフを放置してエインとミレさんは奥に入っていく。

「ここを使ってね。荷物とかは……」

「今持ってるのですべてです。」

「それだけでここに来たってのかい?世間知らずもここまでくると感心するねえ。」

「必要なものは現地調達するつもりだったので少ないんですよ。」

「そういうことね。見てきたと思うがメインストリートなら大抵のものは揃ってるからそこで買ってくるといいよ。」

「ありがとうございます。」

「それじゃあ私は戻るから何か用があるなら店の方に出てきてね。」

店の方へミレさんは戻って行こうとする。

「あ、そうそう私は『ミレーネ』だからよろしくね。みんな『ミレ』って呼ぶから初めての人は本名と勘違いするからそれだけは覚えておいて。」

「わかりました。それでは。」

ミレさんはそれだけ言うと店の方へ戻って行った。


次の日エインは酒場のベットで目覚めるとそのまま店の方へ出ていく。

「早起きなんだねエイン君は。」

「お世話になるんですし、呼び捨てで構わないですよ。」

「そうかい?ならそうさせてもらうよ。今日は入学式なんだろう?遅れないようにね。」

「はい、気をつけます。」

「朝食はここで食べていきな。」

「お言葉に甘えさせていただきます。」

エインはカウンター席に座る。

すぐにアルアが食事を持ってきてくれた。

「どうぞ。」

アルアが持ってきたお盆を受け取る。

「ありがとう、アルアちゃん」

「お兄ちゃんも魔導学園に入学するの?」

「そうだよ。でも、なんでそんなことを?」

「私のお兄ちゃんがそこの生徒なんだよ。『こうてい』って知ってる?私のお兄ちゃんのことなんだって。」

「そ、そうなのか⁉アルアのお兄さんってどれくらい強いんだ?」

思わぬところからの情報にエインはアルアに顔を近づける。

「え、えっとね……あんまりわからないけど、お母さんが言うには学園で一番強いんだって。私もお母さんもあんまりお兄ちゃんのことわからないんだ。お兄ちゃん全然家に帰ってこないから学園でどうなってるとかわからないんだ。」

いきなりエインが顔を近づけてきたことに驚きながらもアルアは答える。

「そう言えばエインはうちの子に興味があるんだったね。学園に入学したらあいつに言ってやってくれないか、「一回でもいいから帰ってこい」って。手紙とかで言っても時間が無いって返されるだけなんだ。」

困ったものだと言いながら、ミレーネは2人分の食事を持ってきて、エインと一緒に食べ始める。

「言えるかどうかわからないですけど、善処します。」

朝ご飯を食べ終えたエインは自室に戻って登校の準備を済ませる。

再び食堂へ向かうとそこにはミレーネさんとアルアが立っていた。

「いってらっしゃい!」

「いってらっしゃい、お兄ちゃん!」

いきなりのことでポカンとしているエインにミレーネさんが近づいてくる。

「何を呆けてるんだい?こういう時は、「行ってきます。」だろう?」

「そうなんですか?じゃあ、行ってきます。」

「締まらないねえ、まったく。常識が無いってのも考えもんだ……」

「そんなに常識無いですか⁉」

「少なくとも、私たちみたいな一般人からしたら無いよ……。まあ今そんなことを考えてもしょうがない。行ってきな。」

「そうですね。行ってきます。」

「お兄さんいってらっしゃーい。」

手を振りながら送りだいてくれるアルアに手を振り返しながら酒場を出ていく。

終焉の先の物語~The demise story~を読んでいただきありがとうございます。ブックマークしていただけるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ