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おっとそれは予想外だ

 

 「ふ〜ん、それでお兄ちゃんはボロ雑巾みたいになって挙句一緒にきた友達にも見捨てられて帰ってきたわけなんだ?」


 「やっぱ雪って馬鹿ね!そんなの好きに言わせておけば良いのに……それになんで一緒にいた人は止めてくれなかったのよ!」


 二人ともまっすぐ俺の瞳を見下ろしている。


 「二人とも言いたい事あるのは分かったからまず重傷者の上に乗るのやめような、今お兄ちゃん本気で辛いから」


 そう言うと二人とも渋々どいてくれたので俺はソファーに腰をかける。


 エミはもう興味ないのかテレビを見始め妹は応急箱を持って机の上に広げた。


 エミには後で後ろから抱きついてさりげなく身体を弄ってやろう。


 消毒液や薬独特の匂いが僅かに鼻腔をくすぐる。


 「なんでそんな無謀な事したの?エミちゃんの言う通りそんなの勝手に言わせておけば良かったのに……感情をコントロール出来ないのは小学生までだよ?あと童貞も、あ、お兄ちゃんは射精もコントロール出来ないからなんも出来ないね」


 「おい最後に余計な事言うな、せっかくの真面目な雰囲気がめちゃくちゃになるだろ……でもまぁ自棄にはなってたかもなぁ……」


 妹はかぜぐすりの箱を取り出し細い指先でぜとぐとりの文字を塞ぎ俺に見せてきた。


 ……このやろう。


 あの時もう自分自身で動いているのかどうかも分からなかった。


 冷静に考えればなんであそこで胸ぐらを掴みにかかったのかも分からない。


 気がつけば店の外に放り出されてボコボコにされて。


 気がつけば家の前にいた。


 やっぱ現実ではあんな格ゲーみたいに機敏に動く事は出来ないし俺なんかのパンチじゃダメージ入れるどころか当たりすらしないって事が痛いほど分かった。


 実際本当に痛い目にあったし。


 俺も音ゲーすれば反射神経良くなったりするのかな?


 はぁ……もう本当散々だ。


 「よいしょ……とりあえず傷口にばい菌が入らないよう適当にやったけどなんか見た目がゾンビみたいになってるよお兄ちゃん、そもそもお兄ちゃんがばい菌みたいなものだから逆効果かもしれないね」


 そう言いながら応急箱を戸棚に戻して俺の隣に座る。


 俺はスマホを取り出し内カメラで自分の姿を見るとあざだらけの顔になんか至る所にペタペタと絆創膏が貼ってある。


 「こんなゾンビみたいにしたのはお前だろうが」


 これはお仕置きが必要ですね。


 妹はスマホをいじりながら眠そうな眼で鼻歌を歌っている。


 普通の人よりもゆっくりと瞬きをしその度に長く上を向いたまつ毛が団扇を仰ぐ様に揺れ動く。


 ピンクの花柄のパジャマを着ていておそらく今日は一歩も外に出ないと言う意思が伝わってくる。


 ソファーにペタッとついているパジャマ越しの太ももは程よく筋肉が付いているおかげかズボンがパツパツになるくらいに膨れ上がっていた。


 俺はさりげなくその両脚の隙間に手を入れた。


 なるほどなるほど。


 セーターの柔らかい生地感の奥から伝わってくる太ももの筋肉。


 これはもう一生ここで暮らしたいと俺の右手が言っている。


 この妹のエロい両脚の内腿に顔を埋めたいと本気で思ってしまっている俺はきっともう手遅れなのだろう。


 妹は表情を変える事なくジッと無言で俺の事を見つめてくる。


 ちなみにエミはテレビに夢中で気が付いていない。


 「一応言い訳聞くけど」


 その言葉に感情は一ミリもこもっていない。


 これはあれですねもう、怒るのを余裕で通り越して呆れているんだけど私の方が大人な対応してあげるよって事ですね。


 「う〜ん、そこに太ももがあったから」


 「ついにお兄ちゃんが壊れた」


 「違う壊されたんだ、俺も本当はこんな事したくないよ?けどこれくらいの癒しがないともう生きていけないんだよ」


 「ふ〜ん、じゃあもう生きるのやめた方がいいね」


 妹はスマホをソファーの上に置きいかにも俺の癒やされている右手の関節を痛めつけようとしてきている。


 「落ち着くんだ妹よ、おそらく俺の右手の小指を逆関節方向へ曲げようとしているのは長い付き合いだからよく分かってる、だから俺も対抗策に出る事にした」


 「へ〜?どうするの?やってみてよ」


 ふふっ、余裕そうにいられるのも今のうちだ。


 俺は雫に向かってもう片方の手もクロールの漕ぎかたをしながら太ももに突っ込んだ。


 「どうだ妹よ!これでどっちの手を曲げるか悩むだろ!俺はその間この太ももを堪能させてもらうぞ!この柔らかくてしかも兄妹という免罪符があるおかげで俺が犯罪扱いされることもない!」


 「お兄ちゃんはそれを本気で言ってるなら一回刑務所か自衛隊に行って考え方を改めて更生してきた方がいいと思うよ……エミちゃんそれ後でお母さんたちに見せてあげて」


 なぁ!?


 テレビを見ていたはずのエミがスマホをこちらに向けていた。


 「五月蝿くてテレビも落ち着いて見られないと思ってたら雪が妹に欲情しているとこが撮れちゃった!これはもう反省するだけじゃ済まないわね!」


 くそっ!こいつらいつの間に手を組みやがった!


 しかも証拠写真まで撮りやがって!


 だが俺の両手は妹の柔らかい太ももから離れようとしなかった。


 「ちょっと!スマホ向けてるんだから普通ならすぐそこから手を離すでしょ!?なんでむしろモゾモゾさせて奥に入れてるのよ!普通にドン引きなんですけど!」


 「エミは本当に馬鹿だな、もうどうせバレるなら最後まで堪能した方が良いに決まっているだろ?どうせすぐ抜いてはい反省しましたもうしませんとか誠心誠意謝ってもどうせ罵詈雑言の嵐だ、はいはい悪いのは俺ですよ」


 そうだ、どうせ怒られるんだからその怒られる瞬間まで俺はこの癒しを堪能し尽くしてやる。


 「ふ〜ん、お兄ちゃんのアレとは違って意思が硬いのは伝わってきたけどさ?この状態が続けば続くだけ私からの攻撃力が上がっていくのは理解してるの?」


 おっとそれは予想外だ。


 だがそれでも俺はこの柔らかくて暖かい人肌の温もりから離れようとしなかった。


 やはり俺の身体はもうボロボロなんだ。


 これに癒しを与える方法はもう一つしかない。


 いいじゃないかたまにはいい事があったって。


 「ごめんお兄ちゃんちょっとどうかしてた」


 俺は両手を太ももと言うなの聖域から離す。


 「あれ?この流れ的に私にボコボコにされるまで離さないと思ったのにあっさり退くんだね?それなら今回は大目に見てあげる」


 俺は先程まで聖域にあったものを自分の両頬に当てる。


 手から伝わってくる妹の温もり。


 これだ!俺が求めていたものは!


 「え〜!雫許しちゃうの?雪は馬鹿なんだから口では反省するって言っても内心は分かんないのに〜」


 俺はそのまま妹の聖域に顔面から突っ込んだ。


 柔らかくていい匂いが俺を包み込む。


 さらには優しく柔らかい太ももが俺の顔面全てを撫でるように暖かい体温が触れ合い俺のボルテージは最高潮だ。


 「俺は一生ここで暮らすんだ!もう現実なんてクソだ!ここなら柔らかくて温くていい匂いもする!現実の冷たい空気はもう懲り懲りなんだ!」


 俺は何度も聖域で大きく深呼吸した。


 「お兄ちゃんモゴモゴ言ってて何言ってるかわからないけどもう許すことはないからね?」


 すると俺の背中に乗っかり聖域から剥がそうとする不届きものが現れた。


 「とにかく離れなさいよ!」


 「嫌だ!俺はここで暮らす!」


 「そんな台詞はこっち向いて言いなさいよ!側から見たら凄い馬鹿みたいになってるわよ!」


 懲りずに何度も引き剥がそうとしてくるので俺は妹の身体から離れない様にお腹周りに張り付いた。


 「お、妹よ結構腹回りもしっかり筋肉付いてるな」


 「うん、そうだね……それじゃあバイバイお兄ちゃん」


 気がつけば俺は両親の前で正座させられていた。

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