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……お兄ちゃんのロリコン


 いや待ってくれ聞いてほしい。


 仕方ないんだ!家に二人も俺のことをお兄ちゃんと呼んでくれる存在が出来るなんて!


 なんて幸せ者なんだ!俺は!


  帰りにコンビニで、あんぱんでも買ってあげよう。


 クリームと、こし餡がたっぷり入ったやつ。


 俺は銀髪幼女を連れてコンビニへ立ち寄るとあんぱんを買いそのまま我が家へ連れて行った。


  なんかこの説明おかしくない?犯罪の匂いしかしないんだけど?


 幼女って言い方が良くないよね。


  あんぱんをムシャムシャと食べるエミの姿はとても可愛らしくエミもあんぱんを気に入っているようだ。


  「ふぅ〜、家に帰ってなんと言い訳すればいいのやら」


  「ひょんなのもぐもぐ……ひぇきとうでいいひゃらい、それにしてもおいひいわね」


  「よし、飲みきってから喋ろうな?多分だけどそんなのモグモグ……適当でいいんじゃない?それにしても雪お兄ちゃん大好きって言ったんだろ?全く……食べるか話すかどっちかにしろよ……」


 「最後のは言ってないから!適当言わないで!ロリコン!」


 「おい!バカ!口の中のものが飛び散ってるだろ!せめて俺の顔にかけなさい!そしたら全部俺が食べて無駄もなくなるだろ!」


 「……流石に気持ち悪い」


 おっと本気でゴミを見る目をしてますね。


  しかし、エミのご両親は帰ってこないのを心配してるのでは?自称俺より年上らしいが実際はいくつなのやら。


  小学一年生か?それとも二年生か?幼稚園の可能性も……。


  携帯で妹に連絡をするべきか……でもなんて説明するんだ?偶然あった幼女が力を貸してくれるんだって〜なんて意味のわからないことを言う訳にもいかないし。


  きっと妹の事だ「お兄ちゃん……ついに犯罪に手を出しちゃったんだね……」とか言われそう。


  俺はエミを見るとあんぱんを食べ終え満足げな顔をしていた。


  「別に心配しなくても大丈夫よ、それよりあんぱんもう一個買いなさいよ!私みたいな超超可愛い美少女に貢げるなんて嬉しいでしょ?良かったわね生きる希望が出来て」


  こいつ図々しいやつだな……今度嘘ついてカレーパン食わせてやろう。


  しかも激辛のやつ。


  ーーーー


  家にたどり着くと俺は意を決して普段通りを装いながら玄関のドアを開けた。


 凄く不安だ。


  「た、ただいま〜」


  「おかえり〜お兄ちゃん、お兄ちゃん、これとこれどっちが……」


  妹が出迎えてくれると手に持っていたライトノベルを落とした。


  「お、おい」


  いや、それ俺のだから。


  「よ、幼女が……」


  「誰が幼女よ!」


  さすが俺の妹だ、反応が似ているな。特に幼女と呼ぶところがポイント高いぞ。


  「お兄ちゃんが幼女を誘拐してきちゃったんだ……しょうがないね一緒に警察署まで行こう……今なら罪も軽くなるよ」


 うん、やっぱこうなるよね。


 とりあえずエミをうちに入れ三人でテーブルに座った。


 妹は凄く真剣な表情をしている。


 まぁただライトノベル読んでるだけなんだが。


 「妹よ、そろそろエミのことを説明してもいいかな?」


 「う〜ん、今いいところだから後で」


 「雪の妹全然私に興味ないじゃない!」


 こらこら椅子の上に立つのは危ないぞ。


 俺はエミの脇腹を持って椅子に座り直させる。


 「……お兄ちゃんのロリコン」


 「ち、違うぞ!妹よ!お兄ちゃんは人よりちょっとだけ幼い女の子が好きなだけなんだ!」


 「はいはい、それじゃ幼女との事詳しく聞いてあげる」


 妹はようやくラノベを閉じて身体をこっちに向けてくれた。


 「実は朝から様子がおかしいと思ってたんだけどまず志保と美代が家に来てなかったろ?それでおかしいと思いつつ……」


 「ち、ちょっとストップお兄ちゃん……その志保と美代って誰?お兄ちゃんの友達?そんな人居たっけ?てかお兄ちゃんに友達居たっけ?」


 おいこら。


 ……ん?


 「志保と美代を知らないのか?」


 「うん」


 まじかよ。

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