ちょっとからかってやろう。
ジメジメとした夕暮れ時、サラリーマンや学校から帰宅していく人が多く通るこの道路で俺、高橋 雪は銀髪の幼女に突然抱きつかれた。
何故俺が幼女に抱き付かれているのか。
そんな事どうでもいい!
こんな銀髪美幼女に抱きつかれてるんだ!
あ〜りがとうございます!
服越しで伝わりづらいが間違いなく肌は赤ちゃん並みにプニプニしている。
それに何より子犬なんじゃないかってくらい軽くて小さい。
俺がこの子を守らなきゃいけないんだ!
おっといけない……自分の世界に入ってしまった。
「やっと気づいてくれた……」
なんか俺、急に抱きしめられたんですが……て言うかこの状況は明らかに犯罪かお兄ちゃんが妹をおんぶしている絵面だろう。
「ど、どうしたのかな?迷子かい?」
「……あなただって人生の迷子じゃない」
うわぁ!幼女にいきなり人生の迷子宣言されたよ俺!凄いジト目で見られてるけど……。
ありがとうございます!
じゃなくて。
「ど、どう言う意味かな?」
「そのまんまの意味よ、人生終わったかの様な暗い顔をしてるじゃない」
……そんな暗い顔してたのか、自分じゃ気付かなかった。
「それで?俺に何か用?」
こんな道路の真ん中で会話するのもおかしいかもな……。
「人生迷子中のあんたにお願いがあるのよ……」
イラッ……。
この幼女……さっきから俺のことを人生の迷子呼ばわりしやがって……。
ちょっとからかってやろう。
「な、何の用かな?幼女が人生迷子中の俺に頼ることなんてあるのかな?幼女の力になれる事なんて100個くらいしかないけど」
「だ、誰が幼女よ!こう見えてもあなたより年上よ!と・し・う・え!分かったなら早く敬語を使いなさい!」
は?この幼女はなにを言ってるんだ?早くなんとかしないと……。
「信じてないでしょ!くぅ……このっ!陰キャ!ロリコン!幼女大好き!おっぱい大好き!Daisuke!」
「い、陰キャ!?幼女のくせに……この胸なしが!美代の100分の1!銀髪!美幼女!幸せになれよ!」
「なんですって!」
俺たちの言い争いは10分くらい続き落ち着くため公園に向かった。




