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あれを見て結婚したいとは思えないよね


 気がつけば俺は既に水上公園に着いていた。


 何故か膝枕をしている美代がそこには。


 おっぱいが大きすぎて視界が。


 いや、むしろ視界はいいんじゃないか?


 いやそうじゃない。


 「あ、雪くん起きた?こっちもおっきしてるのかな?」


 やめて!そっちはデリケートなの!


 俺はすぐさま起き上がり美代と距離を置く。

 

 美代は俺のあれを触った方の手を鼻に近づけ恍惚な表情を浮かべていた。


 なんで目覚めて一発目でこんなもの見せられなきゃいけないんだ!


 と言うかおかしい。


 この状況が成立していることが既に違和感を感じさせる。


 だって志保が介入してこないんだもん。


 美代に自由を与えるはずがない。


 「あの〜美代さん?志保はどうしたの?」


 「あ〜あの貧乳なら居るはずもない私たちを探してると思うよ〜それより雪くん……この格好どうかな?」


 美代はベンチから立ち上がりセクシーポーズをとった。


 体型も相まってとても同じ高校生とは思えないくらい色気があった。


 最高です。


 今回の水着は黒をモチーフに片手片足には謎のシュシュも付いていてその部分が肉を押し付け凄くエッチだ。


 ありがとうございます!


 ってそうじゃない!


 「う、うん!めっちゃ似合ってる!ところで志保は?」


 「……雪くん……美代への感想はそれだけなの?他の男子達は美代への感想を一時間以上語ってくれたのに雪くんはそれだけ?どう言うこと?死にたいの?」


 ひゃあ!!


 太ももに付いていたシュシュから何故かアイスピックが出て来た。


 それそのためなの!?


 「い、いや!まじで可愛い!世界一!てか円堂くん!なんであんなことしたんだよ!凄く楽しみにしてたのに!」


 「は?あんなメガネ数合わせに決まってるよ〜もともと連れてく気はなかったんだ〜だって今日の行事は美代と雪くんだけのラブラブイベントだからね〜子供も作って結婚もしようね〜」


 やべぇ!二人ともいよいよリミッターが外れてきてる!


 発言が日に日に過激になって来ている。


 第一こんな可愛い子にこんな事言ってもらえるなんて普通ならありえないくらい幸せ者なんだろうけどさ。


 普通ならね……。


 俺は太ももに付いているアイスピックを見る。


 あれを見て結婚したいとは思えないよね。


 多分ちょっとした発言で感情が揺れて簡単にあの先端が俺の脳天を直撃するんだと思う。


 背後から地響きがする。


 俺には分かる。


 奴だ!


 奴が来たんだ!


 間違いない!


 「ふふっ……五時間ぶりね……美代をここで駆逐してやるわ、覚悟は出来てるのかしら?まさか集合場所を騙して人混みから抜け出せなくなるとは思わなかったわ……まぁ脅したらみんな素直に私に道を譲ってくれたけど」


 そう言いながら志保は両腕のカッターを器用にクルクルと回していた。


 まさかそれで美代の頸を切るつもりなのか。

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