は?キモすぎ
そこはいつもの白い世界。
よし、ようやく全部言えるな。
「やっほー元気してた?」
「おい!散々な目にあったんだぞ!どうしてくれるの!?ねぇ!?どうしてくれるの!?俺さ!人の家に不法侵入しちゃったよ!?しかも凄い大きい家だよ!?もう普通の高校生活は送れないことを覚悟しちゃってるよ!?」
「お、お疲れ様でした!……よ、よかったじゃない、無事生き残れたんだし鍵も手に入れたんだし」
確かに結果だけ見ればそうなのかな?
鍵がなんなのかは結局分からないけどまぁもう一度会えたし生きてるってことは鍵を手に入れられたって事なんだろうけど。
「俺さ……こんなの後三回以上もしなきゃいけないの?普通の人って生き残る為にこんな苦難を抜けなきゃいけないの?」
「う〜ん、普通に生きてればこんな事一回も起きないわよね……まぁそれもこれもお姉ちゃんの所為……」
「ふざけんなぁ!ぶっ殺してやる!おい!今すぐ呼んでこい!俺がどんだけ苦労したと思ってんだ!」
「だ、駄目よ!お姉ちゃんは意外とシャイだから無口な子供とか動物以外の生き物と会話する時すぐきょどっちゃうもの!それより次の鍵を手に入れる為に救う人物を伝えるわ」
くそっ!いつか絶対にこの二人は痛い目にあってほしい。
「本当に勘弁してくれよ……今回は頼むからヒント多めに手軽に手に入るようにしてください」
言いたいことを言って満足したのか俺の気持ちはだんだん弱気になっていった。
きっと俺は明日死ぬんだ!
「まぁそうね……このままだと本当にあっさり死んじゃいそうだからね。神崎って双子のどちらかから鍵が手に入るわ、どっちになるかは本当に毎回ランダムだから分からないのだけれど羽形ユンと同じように彼女のどちらかの悩みを聞いてあげて、そうすればまた鍵を手に入れたタイミングで空メールが送られると思うから」
なんだか浮かない声色をしている。
表情こそ分からないが明らかに何か不安がありそうだ。
「なんか心配要素でもあるのか?」
しばらく沈黙が続く。
なんか塩らしい態度に俺も思わず気を使いたくなる。
「お、おい大丈夫か?」
「うん……なんだか今回は凄く嫌な予感がするのよね……もしもの事を考えて私が動くべきなのかな……まぁいいわ、その時はその時だしそんじゃまたね」
あ!おい!ちょっと!
声にすら出せず視界が真っ白になっていく。
気がつけば俺は自分の家の椅子に座っていた。
「お兄ちゃん黙ってるけどまだ怒ってるの〜?雫特製カルボナーラ食べて機嫌直してよ〜じゃないと童貞卒業出来ないよ?」
「それは困る、てか餃子じゃないんだな」
テーブルに置かれたカルボナーラを見つめる。
「餃子?今日は作ってないけど何?食べたかったの?」
「いや別に……こっちの話だよそれよりお兄ちゃんがフーフーしてやろうか?」
「は?キモすぎ」
なんとなく一回目と同じような会話をしてみたがやっぱズレは生じるんだな。
それにしても神崎姉妹か……。
明日からちょくちょく調べてみるか。
ただ志保と美代に女性の事について調べてるなんてバレたら何されるか分かったもんじゃないしくれぐれも隠密に行動せねば。
あ、またタイムリミット聞くの忘れてた。




