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今までありがとう


 ついに俺の終わりの日が来た。


 今までありがとう。


 そしてほぼ一睡も出来てない。


 鏡で朝自分の顔を見た時には信じられないくらい真っ黒いクマが出来てた。


 妹には色々と心配されて今日休んだ方がいいと言われた。


 本当にお兄ちゃん思いのいい妹だ。


 今度絶対バイトして焼肉を食べに行こう。


 笑顔でムシャムシャ食べてくれる可愛い雫の姿を想像するだけでやる気が出て来る。


 ……が、しかし。


 今日の何時に俺の人生がプツンとなるかは分からない。


 なんとかして生き残らなくては。


 なんとしてでも!


 俺は生き延びる!


 「今日はユン休みらしいわよ」


 俺は肩にかけてたカバンがストンと落ちてそのまま床に膝をつける。


 完全にorzの姿勢になってる。


 まじかよ!?


 俺終わったわ。


 最後に妹に合わせてくれ。


 「え?それどこ情報?」


 冗談だと言って欲しい。


 そもそもこの二人の人間関係を知らないから他のクラスに友達居たんだとかそう言う疑問が浮かんでくる。


 「えっとね〜美代が聞いた話だとなんか暗くてメガネかけた陰キャくんが教えてくれた」


 まさか昨日声かけたメガネくんじゃないだろうな?


 彼すごいいい人だったなぁ。


 そんな事はどうでもよくて。


 まずいぞ。


 実にまずい。


 今日俺の命が終わるのは間違いない。


 ただ時間までは把握していない。


 今日の夜かもしれないし一時間後かもしれないし五分後かもしれない。


 昨日の妹の言葉を思い出せ。


 そうならないように何かしら行動しなくては。


 それに妹ともう会えなくなるなんて嫌だ!


 よし。


 「と言う訳で俺は早退するから」


 俺は早々にカバンを肩に掛け直し踵を返す。


 「はぁ?もう授業始まるわよ?今日の確率の問題はかなり難しい点が多いのだし科学の元素記号も全て暗記しておいて損は無いわよ?それにお昼ご飯どうするのよ?一緒に食べる予定だったじゃない……」


 そんな予定立てた覚えないんだが。


 「なら美代も早退する〜旦那さんが主張するならお嫁さんの美代も主張しないとね」


 椅子から身を乗りこなし手を上げる。


 嫁も一緒に主張する例とかあるのか?


 まぁいいや。


 「ちょっと二人とも!」


 俺は早足で教室を抜け出す。


 すぐ後ろには美代が。


 「学校サボって二人でデートするなんて背徳感で興奮するね?何処行く?ホテル?お昼ってやってるのかな?それとも美代の家来る?」


 いや……今はそれどころじゃないんだが。


 「二人とも!待ちなさいってば!」


 「志保は来なくていいのに〜これから雪くんと美代でオシャレな喫茶店に行った後美代の家で色んなことする予定なんだから」


 「あなた朝からエンジン全開で流石に引くわよ……それより雪くん!どうしちゃったのよ?美代が嫌になったの?確かによく分かるけどこんなの無視すればいいじゃない」


 あ……ヤバい。


 俺は全身から汗が噴き出てくる。

 

 「は?電柱が喋るな」


 「あ?雌豚がブヒブヒ鳴いている方が不快なのだけれど?」


 いや、本当に色々と面倒になりそうだから来て欲しくない。

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