表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/103

ワンタップで俺の命がなくなる


 やばい。


 いや、本気で。


 やばいやばい、まじでタイムリミットが迫ってきている。


 明日にはなんとかして鍵を手に入れなきゃいけない。 


 「お兄ちゃんなんか顔色悪いね?大丈夫?ドラゴンに乗ったり大きな木を破壊したりしない?」


 ア◯ターかな?


 「俺はそんなに真っ青じゃないし大自然を駆け回ったりしないから大丈夫だ、それより妹よ……もしお兄ちゃんが死んだらどう思う?悲しい?寂しい?」


 俺の質問に小首を傾げる。


 「う〜ん、別に」


 「嘘でしょ!?俺の存在ってそんなもんだったの!?命軽くない!?」


 「ウソウソ、でも急にどうしたの?」


 クスクスと笑う妹。


 「いや……人っていつ死ぬか分からないだろ?ある日突然俺が無理心中で死んだりカッターで刻み殺されたり俺のアソコを握り潰されたりしてもおかしくないんだよね」


 「うん、全然分からないし段々と具体的になってるのがよく分かんない……でもそうならないように何かしら行動しなきゃダメだよね」


 両手を合わせる妹。


 可愛い。


 エプロン姿が今日も似合ってる。


 やっぱ女の子はこうでなきゃ。


 「だな」


 「お兄ちゃんは世界にとってはいても居なくても変わらないけど私にとってはいなきゃちょっとだけ困るしお父さんもお母さんもちょっとだけ悲しむと思う」


 親指と人差し指でジェスチャーしてくる。


 なんだよちょっとだけって。


 「もし俺が死んだら仲良かった女の子二人のどちらかが怪しいって警察に証言しといてな」


 「それって志保さんと美代さんのこと?二人とも可愛くてカッコよくて頭も良くてスポーツも出来て本当理想の完璧女子って感じだよねー女子からも憧れてる人多いだろうし」


 それはあいつらの本性を知らないだけだ。


 ……けど本当ならそうなるはずだったのかな。


 俺があんな余計なもの描いたりしなければ。


 ……。


 いや、あいつの姉が確実に悪い。


 俺は悪くない。


 「まぁあいつら見てくれだけは良いからな」


 「あぁ〜!女の子にそんなこと言っちゃいけないんだぁ〜二人に言っちゃお〜」


 「アイス食べる?後でお兄ちゃんとコンビニ行こう、一万円まで好きなの買って良いぞ」


 「わ〜い」


 一万で俺の命が買えるなら安いもんだ。


 えっと……。


 あ、500円しかないや。


 食事とお風呂を済ませラフな格好で夜の街へと出かける。


 街って言っても住宅街を抜ければコンビニはすぐそこだけど。


 点滅している街灯がチカチカして眩しい。


 妹は俺以上にラフな格好している。


 それはそれですごく良い。


 半袖短パンで真っ白い肌があらわになってて。


 いずれ妹がお嫁に行くとなると……。


 お兄ちゃん死んじゃう。


 「ん?なんでそんな悲しそうな顔してこっち見てるの?あ、本当に一万円分買うわけないから安心してね」


 ちなみに500円しかないことはまだ言ってない。


 「いや、妹も気がつけば立派な大人になったなって思って……お兄ちゃん嬉しいよ」


 「この間お父さんにもおんなじ事言われた……もしかして私ってすごく愛されてる?」


 「当たり前だろ!もっと自分を大切にしろ!お兄ちゃんを大切にしろ!お嫁に行かないで!」


 「なんかだんだん私情が混ざってない?……けど嬉しいな……私のこと本気でそう思って言葉にしてくれるのは」


 照れ臭そうに鼻の下をかく。


 あれ?なんだろうこの気持ち。


 これが恋なのか!?


 「あ、あと財布に500円しか入ってない」


 「とりあえず志保さんと美代さんに連絡しとくね」


 「待って!お願い!」


 送信手前まで手をかける妹。


 ワンタップで俺の命が無くなる!


 「今度!絶対好きなの食べて良いから!バイトでも靴磨きでも臓器提供でもなんでもするから!コウコウファイナンスに借りるから!」


 必死に妹の足元にしがみつく。


 すべすべで柔らかい。


 それを哀れに思ったのか大きくため息を吐き。


 「分かった、お兄ちゃんには今度焼肉食べ放題の一番良いコース連れてってもらうからね」


 「ありがとうございます!雫様!あとお前の足めっちゃ綺麗だなこんなに白かったっけ?」


 毛穴ひとつ見えない真っ白で長い足。


 昔はよく傷跡作ってた気がするけど。


 「はいはいお世辞は良いから、あれ買ってこうよ、あのパキッて割って2つ食べれるやつ」


 「まさか半分お兄ちゃんにくれるの!?なんてお兄ちゃん思いな妹なんだ!」


 「いや、両方とも私が食べるけど」


 鬼じゃん!


 だったらもっと良いやつ買えば良いじゃん!


 「うそうそ、それより虫に刺されそうだし早めに買って帰ろ」


 「はいよ」


 そのあとは半分こしてアイスを食べながら家へと帰って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ