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はいはい、志保さんは欲がない素敵な方です。

 

  気がつけば妹と仲直り大作戦二日目も終えようとしていた。


  まだ明るい午後は街並みを強く照らし時の流れを遅くさせる。


  志保と美代はユンの金髪を訝しげながら触り何度も文句を言いながら刈り取ろうとしていた。


  いや、嫌がってるんでやめてあげてください。


  ふと目に留まった公園のベンチで休憩している。


  殆どの時間は、志保と美代から厳しいご指摘等となり今後は思った事はすぐ口に出す癖を直そうと改めて思った。


  いや、ほんと……後悔なんてものは無駄な時間でしかないんだろうけど。


  無駄と分かってもやっちゃうよね、愛の告白とか。


  でも無謀な挑戦に挑んで無残に散る姿は誰よりもかっこいいと思うし主人公なんかより全然魅力的だ。


  ま、無駄なことをせずに合理的になって物事を考える系の主人公も好きだけど。


  志保と美代は会変わらずの仏頂面でこちらから声をかけれそうにない。


  「そう言えばそろそろ例の日が近づいてきたわね」


  志保が独り言の様にそう呟き中心にある噴水を背に腰をかけた。


  例の日と言えばそろそろ母親の誕生日が近づいていることをふと思い出した。

 

  毎年妹と買いに行くのが恒例になっていたなぁ〜そういえば志保と美代がうちの両親に毎年渡してるらしいが。


  「そだね〜今年は何渡そうかなぁ〜美代はこういった積み重ねが大事だと思うから〜……この調子でいけば雪くんとの婚約は確実ね」


  ん?なんか今不純な動機でうちの両親を誑かそうとしている疑惑が出てきたのだが?


  「あら?美代は汚らしい考えをしているわね、私は全く見返りなんて求めてないけれど(チラッ)その点を踏まえれば私と言う人間は至極真っ当な人間で貪欲と言う言葉のかけらも見当たらないと思わない?少しは私を見習った方がいいんじゃないかしら?」


  はいはい、志保さんは欲がない素敵な方です。

 

  「あ、そういえばそうでしたね〜プレゼントはどんなものに?」


  ユンは興味津々に俺たち全員に訪ねた。


 ユンさん、美代が貴方のことを狙ってますよ背後に気をつけて。


 美代は今にも髪の毛を切り落としそうだった。


  まぁ俺的にはお金もないしよくある肩たたき券とかで全然いいと思うけど妹がそれを許さないから……。


  妹と言う単語が出る度に俺の肩は再度重くなる。


  「雪さん?どうかしたのですか?」


  首を傾げ沈んだ俺の身体を覗き込む様にこちらを見て来た、あ、可愛い。


  「あ、今年はまだ考えてないしそろそろ決めないとなぁ〜」


  頭を掻きながらごまかしの笑顔をユンに見せた。


  「ダメね、その口調じゃ今年も肩たたき券で済ましてしまおうと言う結論に至ってしまうのが目に見えているのよね、ここはビトンの財布かバックにしようか迷うべきところよ」


  志保は俺にドヤ顔でそう言うと隣の美代もそれに強く同調して言う様だった。


  え?何?毎年そんな高い物をうちの母親に渡してたの?それあれだよね?うちの母親絶対それ楽しみにその日待ってたよね?


  どうりで玄関前でそわそわしているわけだ、やっと一つの疑問が解決した。

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