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こえー!本当にこいつらこえーよ!


  さっき図書室であった羽方と言う彼女はどうやら俺らと同じ3班らしい。


  さっきあった彼女が偶然にも同じ遠足の班になるなんて……。


  これはもしかして運命的な何かなのか?神様的な人が何かしてくれたのか!?


  まぁ俺は運命も占いも神様も呪いも信じてないけど……最後の信じないのはおかしいか?


  実際に美代と志保は呪いにかけられているわけだし。

 

  「それじゃあ、羽方さんあそこにいる人達が3班なので……」


  そんなお門違いでどうでも良い事を考えていると先生が羽方ユンを笑顔で促し俺ら付近に指先を向けると羽方は手を添え軽く会釈をした。


  いちいち礼儀作法が謙虚で華やかなところがもう許せない。


  いや、もう本当に許せないなぁ〜どっかの誰かにも見習って欲しいものだ。


 そうは思いませんか?皆さん?


  「はい、ありがとうございます」


  可憐で美しい彼女が一歩一歩こちらに近づいてくる姿は幻想的な世界を創造させてくる。


  俺の今までの過程を全て帳消しにしてしまうほど彼女は美しく男子なら誰でも声をかけてしまいたくなるほどにーー淡く儚げで今にも溶けてしまいそうだった。


  「あら?……あなたはもしかして……」


  よし、ここは冷静を装ってクールなところを見せないと……。


  「どうも、図書室で会いましたね、羽方さん」


  思わず立ち上がって一礼してしまった。


  やべぇ!志保と美代の目線が……。


  「ふふっ、その節はどうも……そちらのお二人は?」


  「はい、こいつらは同じ班の志保と美代ですっ!?」


  俺はすねに激痛が走るとその場で倒れた。


  痛い!痛い!骨折れた〜!


  床下に伏せた俺を志保と美代はゴミか何かを見るような目で俺を見下していた。


  「雪くんって……ああいう金髪が好きなのね〜やっぱ今時はグローバルにって事なのかしら?美代の馬鹿も言ってたし……あいつの髪の毛は後で私が切り取っておくから……」


  え!?なに!?怖い!この人、人間のパーツとかアイデンティティを平気で害そうとしちゃってるよ!


  声のトーンは明らかに低くなっていくのが伝わった。


  右手にはカッターを強く握りしめ左手ではハサミを威嚇するかのように動かしていた。


  こ、こいつは……マジだ!志保が本気でキレてやがる……


  もうだめだ!いつその刃が俺に向くか分からない!


  俺は美代に命乞いしようと目線を合わせようとすると美代は笑顔だったが、それは表面上だけであって、実際はものすごく俺のことを睨んでいた。


  「へ、へぇ〜……美代の知らないうちにあんな金髪野郎と交流があったんだ〜美代に内緒で……雪くん?妻に隠し事なんて駄目なんだよ?殺すよ?」


  ひぃぃぃ!殺されるし!野郎って口悪すぎだし!まず美代は俺の妻じゃない!


 と言うかついさっきのことだし……てかお前ら金髪嫌いすぎじゃね?日本では確かに珍しいけど……それこそもっとグローバルに生きようよ。


 都内行けばきっと髪染めてる人なんていっぱいいるし。


  「あ、あの!そろそろ遠足での場所決めとか予定の組み立てとかしませんか?」


  羽方は笑顔で俺たちの間に入ってくるとそんな事を言った。


  おいおい、まじかよ……


  ここに天使がいる!


  2人の悪魔に1人の天使が挑んで行く姿が俺には想像できた。


 俺に天使が舞い降りた!


  「そうね、とりあえずやる事が二つ出来たのだけれど後回しでいいわ」


  何とりあえずって?他に何かする事ありましたっけ?


  「美代もさんせ〜い、その後でゆっくりとすれば良いよね〜金髪の毛を刈るのと〜調教♡楽しみ〜」


  え?二人ともなんでそんなに意気投合しちゃってんの?ポタラでも付けたの?フュージョンしちゃうの?


  けどまぁ羽方のお陰で志保も美代もとりあえずは、落ち着いてくれたし……


  「そ、そうだね、とりあえず色々決めちゃおうか」


 早く鍵を!鍵をください!


 じゃないと俺の命が!


  ーーーー


  授業が終わってすぐに俺は羽方さんにお礼をした。


  別に少しでも一緒に居たいからとか、あの可憐で美しい姿を見たいとかそんなことでは無い!


  お礼が言いたいのだ……他はおまけにすぎない!あ、でも鍵貰うのが一番重要か。


  教室から羽方さんが出て行くところを見ると後を追って俺も教室を出た。


  志保と美代の目線がやばいのは言うまでもない。


  「羽方さん、さっきはありがとうございます、あいつらすぐに怒るもんで……」


  「いえいえ、仲が良くて羨ましいです」


  いえいえ!あれは仲がいいわけではありません!がちです!殺しに来てます!神様的人に忠告されるくらいにはやばい奴らです!


  ふと見つめた彼女の瞳からは嘘偽りなく、本心でそう語っているように見えた。


  それに何か潤んでいるような?緊張しているようにも見えた。


  「それに私のことはユン……とお呼びください、雪さん」


  そっかよろしくねユン、結婚しよう。


  え?


  なにこれ?


  これが恋?

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